音楽のストリーミングサービスはその初期のころ、他との差別化のために、ユーザーが自分が保有するMP3のコレクションをアップロードしてそのサービスから聴けるサイトもあった。たとえば、のちにPandoraに買収されたRdioでは、マッチング目的のために音楽をアップロードすることができた。一方Amazon Musicでは、MacやPCから自分の曲をアップロードして聴ける。
しかし、それも終わりだ。Amazonは今週ひっそりと、Amazon MusicのStorageサブスクリプションプランを廃止する、と発表した。2019年の1月からは、このプランで曲を再生したりダウンロードすることがまったくできなくなる。このサービス閉鎖に最初に気づいたSlashgearは、AmazonのWebサイトにある新しいヘルプページを紹介している。
それによると、Amazon Musicのデスクトップアプリから音楽をアップロードすることは、2017年12月18日をもって、できなくなる。再生やダウンロードに関しては、上記のようにかなりの猶予期間がある。つまり自分が過去にアップロードしたトラックを聴いたりダウンロードすることは、2018年の12月までできる。
閉鎖は、最大250曲までの無料ストレージプランと、年額25ドルで最大25万曲までの有料プラン、その両方に適用される。
しかし問い合わせに対してAmazonは、閉鎖を認めるとともに、“ただしAmazonから買った曲(MP3やAutoRip)は従来どおりモバイルやデスクトップから提供される”、と述べた。
Amazonは2013年に、Amazonから買ったCDをクラウドからMP3で聴けるために、AutoRipを導入した。でもそのときからすでに、勃興期のオンデマンドストリーミングサービスが最初からそれらの曲のMP3を提供していたため、AutoRipの利用者は少なかった。でも当時は、音楽のマッチングサービスがまだ一般的にあり、たとえばAppleのiTunes MatchやGoogleのScan-and-Matchなどがあった。
しかしその後Amazonは音楽のアップロードに背を向けるようになり、2015年秋には専用の音楽インポーターソフトウェアを閉鎖、代わりにAmazon Musicアプリを使うよう仕向けた。
2019年の1月以降、Amazon Musicのストレージサブスクリプションサービスがどうなるのか、それについての発表はまだない。