シリコンバレーを代表するベンチャーキャピタル、Andreessen Horowitzが大々的にバイオテック分野に参入しようとしている。同社はAH Bio Fundと呼ばれる2億ドルのファンドを組成した。同時にこのファンドの運用の指揮を取る新たなGP(ゼネラル・パートナー)にVijay Pandeが就任した。
新ファンドはコンピューターとバイオテックの交差する分野の初期のスタートアップを主たる投資ターゲットとしている。HA BioはAndreessen Horowitzとして特定分野を対象とする最初のファンドとなる。またスタートアップがこのファンドで成功すれば、その後は今年3月に発表された15億ドルのメインのファンドが投資を引き継ぐことになるのだろう。
Pandeは知識、経験、人脈いずれをとっても新たなGPとして適任だと思われる。過去16年、スタンフォードの教授として化学と構造生物学を教えてきたPandeは、「割合としては少なくなるだろう」としながらも、大学における研究グループに今後も時間を割くとしている。
またPandeはこれまで数多くのスタートアップに関わってきた。シード資金を受けた感染症治療のスタートアップ、Globavirの共同ファウンダーであり、発足以来16年になる感染症研究のための分散コンピューティング環境、Folding@homeのファウンダーでもある。
ヘルスケアや機械学習などスタンフォード発のこの分野のスタートアップについて尋ねられて、Pandeは「どれも魅力的だ。私は菓子屋に入り込んだ子供みたいな状態で、どれに対してもノーといいにくい」と答えた。PandeはスタンフォードだけでなくUCバークレーやM.I.Tのスタートアップにも時間を割くという。Pandeは以前、バークレーでMiller Fellowを務めており、PhDの学位はM.I.Tで取得しているだけに、この方針を実行するにはまさに適任だ。
PandeはGPに就任する以前、昨年Andreessen Horowitzにパートタイムで関わったが、これは大いに役立ったという。バイオテックのビジネス的側面についてはAndreessen HorowitzのGPであり、以前のOpenTableのCEOであるJeff Jordanが詳しく、Pandeが適切なスタートアップを選ぶ手助けになるだろうという。ヘルスケアや保険業の専門家としては、以前人的資源管理のソフトウェア企業を創立したLarsDalgaardがやはりGPの職に就いている。
具体的なディスカッションの過程は不明だが、こうした専門家の助力はすでにPandeに最初の成果をもたらしている。ビッグデータを利用して新薬の候補を効率的にスクリーニングするアルゴリズムを開発している初期のスタートアップ、TwoXARにPandeは投資を決めている。 今後も続々と投資案件が決定されていくと期待してよいだろう。
Pandeの任命でAndreessen HorowitzのGPは9人となった。【略】
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)