AP通信、マイナーリーグ野球の記事を「ロボット」記者が報道

今日(米国時間7/3)Associated Pressは、全国のマイナーリーグ野球(MiLB)の試合記事を人工知能を使って書くことを発表した。人工知能システムは、Automated Insightsのソフトウェア、およびマイナーリーグ野球の公式データ提供元であるMLB Advanced Media(MLBAM)のデータを利用する。

自動生成された記事が配信されるのは、AP Sportsの人間記者が取材も報道もしない、142のMLB協讃チームと13のリーグにわたるトリプルA、ダブルAおよびクラスAの試合だ。

したがって、もしテクノロジーが有望なスポーツ記者から「仕事を奪う」ことを心配しているなら、安心されたい。

APのスポーツ部門副ディレクターのBarry Bedlanによると、APはこのシステムの開発と運用のために、自動化の専門家を雇った。

この動きは全くの予想外ではなかった。この会社は、Zacks Investment Reseachのデータを使って、2014年7月からビジネスおよび金融の報道に人工知能を利用している。

APが、いわゆる「ロボット」報道を拡大する上で心配しているのは何かと尋ねられたBedlanは、「配信される内容は100%正確であることを確かめる必要がある。しかし、ひとたびソフトウェアが適切に設定されれば、正確性の問題はなくなる」。

AP Sportsは、一年をかけてAutomated Insightsのプラットフォーム、WordsmithをMiLBの記事作成のためにテストをした結果、AP Sportsの顧客である地方の放送局や新聞に配信し、彼らの視聴者や契約者に届けることになった。

統合は技術的には難しくなかったが、APでトップクラスの野球担当編集者や記者たちに、自動生成された野球記事の品質をチェック、評価、編集してもらうため一年かかった。

彼らはメジャーリーグを春季キャンプからワールドシリーズまで追いかけているため、捕まえるのは容易ではなかった。

APは、ソフトウェアとAIの利用を野球以外のスポーツにも拡張するに違いない ― 良いデータを早く揃えることさえできれば。

Bedlanは、「可能性はいくらでもあるが…スポーツ団体が正確性100%のお墨付きを与えるのに何時間、何日もかかるなら、新聞や放送やウェブサイトにとってニュース価値はなくなる。

MLBとAutomated Insightsは、MilBゲームのデータを数分以内に提供している、と彼は言った。

Bedlanは、APが記事は自動生成されたものであり人間が書いたのではない時は、そのことを明確に公表すると強調した。そして彼は、自動システムの利用によって、編集者や記者は、もっと調査の必要な大きなプロジェクトに専念できるようにすることが目的だと話した。

ニュース配信の自動化を進めているのはAssociated Pressだけではない。Celeste LeCompteが2015年9月に、NiemanReports.orgで“Automation in the Newsroom”と題してこう書いている。

「ProPublica、Forbes、The New York Times、Oregon Public Broadcasting、Yahoo、その他の会社はアルゴリズムを使ってビジネスやスポーツから教育、機会均等、公共の安全等に関する報道に役立てている。多くの企業にとって取材と配信の一部を自動化することは、記者の負担を減らすとともに、新しいデータ資源を活用する手段でもある」

果たして自動化が進むことによって、記者や編集者にスキルの衰えが起きるかどうか、今後に注目したい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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TechCrunch Japan

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