iOS 11の一般公開を期にAppleはアプリのダウンロード制限を多少緩和した。これまでiOSデバイスのオーナーは携帯ネットワークでアプリをダウンロードする場合、100MBが上限で、それ以上の場合はWiFiを使うことを求められた。生産性アプリ iWorkや多数のゲームがこの制限にかかっていた。今後、OTA(Over-the-Air)ダウンロードの上限は150MBになる。
この変更はAppleのデベロッパー向けサイトで簡単に報じられた。今回AppleはサードパーティーのデベロッパーにAR〔拡張現実〕アプリを開発する新しいテクノロジーも紹介している。これにより、ポケモンGOのような現実世界にバーチャル・オブジェクトを重ねて表示させるアプリの開発が容易になる。
しかし現在の人気ゲームのサイズを考えると、150MBはやはりかなり厳しい制限だ。
ダウンロード制限が緩和されることは1年も前から9to5Macが報じていた。Appleは2013年にダウンロード制限を 50MBから100MBに拡大したものの、それ以降は変更がなかった。もっともiOSのダウンロード制限は当初10MBだった。それから比べれば大進歩を遂げたことになる。
ただしなぜこうしたダウンロード制限が存在するのかは不明だ。ダウンロード制限は設定のオプションとすればよいはずだ。
現在、多くのiOSユーザーは無制限ないし事実上無制限に近いデータ転送量の契約をしており、大型アプリをダウンロードしても問題ない。 データ契約に制限があるユーザーの場合でも、設定で「上限あり」をデフォールトにしておけばすむことだ。これなら、自動アップデートなどで、知らないうちにデータ転送量を使い果たしてしまうことを防げる(セルラーでのダウンロードでデータ転送量を食ってしまう可能性が高いのはFacebookで、ほぼ2週間ごとに新バージョンを送り出している)。
しかしAppleは一部のユーザーに不便をさせても他のユーザーを守ることを優先しているようだ。同時にこの上限はデベロッパーに対して「望ましいアプリのサイズ」を示唆しているのかもしれない。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)