Appleは第2四半期に小さな壁にぶつかり、ウォール街の期待をわずかに下回った ―― その結果、昨年大きく上昇した株価をわずかに下げた。
同社は売上529億ドル、1株あたり利益2.10ドルを記録した。ウォール街の予測は、それぞれ530億ドルと2.02ドルだった。iPhoneの販売台数は5080万台で、アナリスト予測は5140万台だった。いくつかの指標で目標に達していないが、全体構想にとっては大きなことではない。ただし予想外のつまづきは、果たしてAppleが成長を続けられるのかという議論に波紋を投げかけたと言えるかもしれない。
今日の取引終了時、Appleの株価は過去52週の最高値を記録し、この一年間非常に安定した上昇をみせた。これは、主力のiPhoneがもはやAppleの株価を押し上げる推進力ではなくなる、という大きな懸念がある中での出来事だ。代わりに、ほかの製品群(特にサービス部門)が安定成長の兆候を見せ始めている。つまりAppleの天井は、四半期毎のiPhone売上新記録達成だけに頼っていた時よりも高くなっている可能性がある。
驚くに当たらないが、Appleのサービス売上は再び成長した。Appleはサービス事業で70億ドルを稼ぎ、昨年同期の60億ドルから上昇した。これはiPhoneほどの推進力ではないものの、順調な伸びだ。売上の減少を食い止めているこうした傾向は、結果よりも重要かもしれない。
実際、下に貼った昨年のグラフを見ると、Appleの株価は50%以上上がっている。
前の四半期に、Appleは予想以上のサービス売上を記録してウォール街を驚かせた。同社幹部はこれだけで今年のFortune 100企業並みの規模だと再三口にした。そしてこれが成長エンジンiPhoneの停滞を補完した。この一見健全な収入源の多様化のおかげで、Appleは下降に向かう(少なくとも上限に達した)と見られていた収益を再び成長させることができた。
大きなホリデーシーズンが終わったあとで、製品への欲求は低い時期だ。しかし、第2四半期のAppleのハードウェア売上がiPhone、iPadともに下がっている今、売り上げの多様性は益々重要になってくる。Macはある程度強さを見せているが、新しい何かが成長するのを見せることは重要だ。
すべてがAppleの株価は上がり続けることを意味し、それはいくつの理由により決定的に重要だ。例えば今後も人材を集め続けなくてはならず、株価が値上がりする期待は雇用のインセンティブになる。アクティビスト投資家を排除するためでもある。Appleの会社規模では可能性は低いものの、Carl Icahnのようなアクティビストが会社を追求した前例はある。
もちろんAppleの株価が1%下がるだけで(決算報告後に実際起きた)、会社の時価総額(現在7500億ドル)数十億ドルが数分間で消滅する。しかし、改めて上のグラフを見ると、Appleが収益源を多様化しただけでなく、ストーリーをウォール街に売り込む術も会得し始めたことがよくわかる。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)