Apple、iOS 11.3プレビュー版発表――アニ文字に新キャラ、電池警告メーター、ARKitサポート他新機能多数

今朝(米国時間1/24)、Appleからビッグ・ニュースが発表された。Appleは最新のモバイルOSのプレビューを公開した。アップデートの目玉は消費電力の管理、拡張現実のプラットフォーム、ARKitのサポート、新しいアニ文字iキャラクターの追加、ヘルス・アプリの拡充などだ。

ARKit 1.5についてはここに詳しいが、 アップデートされたプラットフォームは外界のさまざまな対象、たとえば壁などの垂直の面、円形のテーブルなどを認識する能力を持つ。これまでもテーブルや椅子に仮想物体を配置することができたが、そうした能力が大幅に拡充された。新しいシステムはポスターや掲示など2D画像を認識する能力がある。これらの能力は美術館などの公共施設できわめて広い応用範囲を持つはずだ。

iOS 11.3のリリースに向けて、ドラゴン、クマ、ライオン、ガイコツのアニ文字キャラクターの準備が進んでいる。アニ文字は「動くアバター」で、カメラで撮影したユーザーの表情が反映される。新キャクターの追加で16種類のアニ文字が利用できるようになる。

Appleがモバイル・デバイスのバッテリー問題に対処するにあたって、今回のアップデートではOSのいくつかの重要な部分が改良を受けた。.iOS
11.3 にはバッテリーヘルスメーターが新設された。これは自動車の警告灯に似ており、ユーザーがバッテリーの状態に注意するよう促す。Appleは旧世代のiPhoneのバッテリー駆動時間を延ばすためにパフォーマンスを制限するシステムを導入して激しい議論を引き起こしが、新OSではユーザーはこの機能をオフにできる。

この新機能は今後発表されるiOS 11.3ベータ版以降で実装され、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone SE、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 7、iPhone 7 Plusで利用可能となる。 AppleはiOS 10.2でのバッテリー寿命の取扱いに関して透明性を欠いたとして強く批判されたが、今回のアップデートはこれに配慮したものだろう。

Appleはまたヘルス・アプリの改良も行った。これは主としてAppleのウェアラブル・デバイスの分野で実行され、さらに本格的なヘルス・ツールとなることを目指しているようだ。新しいヘルス情報の記録機能は一箇所で情報を管理することで医師や病院との連携性を高めるものだ。

新しいヘルスアプリで管理される情報は従来の標準的なApple Watchより詳しく、処方薬、検査結果なども含むことになる。これに伴ってAppleはセキュリティー管理もアップグレードしている。われわれが日常メールをやり取りしたりビデオを観たりするデバイスがヘルス情報も管理するのだから当然のことといえる。Appleによれば、こうした情報はすべて暗号化され、パスコードで保護されるという。

Appleの企業向けチャット、Business Chatは興味深い試みだ。店舗や金融機関がこのサービスを利用すればMessageを利用して顧客と直接コミュニケーションができる。これもiOS 11.3の公開と同時にベータ公開されるはずだ。Appleはスタート時点でDiscover、Hilton、Lowe’s、Wells Fargoなど相当数のパートナーを確保している。ユーザーはコールセンターで延々と待たされたりTwitterの公式アカウントにあてにツイートしたりすることなしに、直接企業の担当者と会話ができるようになるという。

これ以外にもいくつか重要なアップデートがある。HomeKitでソフトウェア認証がサポートされ、スマートホーム用ハードウェアのメーカーにセキュリティーに関する選択肢が増えた。Apple Newsにも多数のアップデートがあり、キュレーションされたビデオが追加されトップストーリーも改良された。 Apple Musicではストリーミングで音楽ビデオが配信されるようになった。

一般ユーザー向けにiOS 11.3がリリースされるのはこの春が予定されている。一方、デベロッパー・プログラムに登録しているユーザーは今日からダウンロードしてテストを開始できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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