Appleがソニーピクチャーズの幹部2人を採用――オリジナルコンテンツの制作に本腰

NetflixとAmazonも、うかうかしていられない。『Planet of the Apps – アプリケーションの世界』でオリジナルコンテンツの分野に足を踏み入れたAppleは、本日新たなニュースを発表した。2005年からSony Pictures Televisionで共同社長を務めていたJamie ErlichtとZack Van AmburgがAppleに加わり、番組制作を率いていくことが決まったのだ。

Appleがオリジナルコンテンツに興味を持っているという噂は、今年の頭からよく耳にしていた。彼らの狙いは、オリジナルの映画やテレビ番組を制作し、有料のストリーミングサービス(現状Apple Musicでは月10ドル/980円で音楽だけ聞くことができる)で配信することだ。そうすれば登録者数が増え、ストリーミングサービスからの売上がハードウェア事業(特にiPhoneとiPad)の成長の鈍化を埋め合わせられるかもしれないのだ。

このような戦略に関する説明はなかったが、ErlichtとVan Amburgのふたりは、インターネットソフトウェア・サービス担当上級副社長Eddy Cueの部下として、テレビの分野で「心が躍るようなプラン」を実現するために業務にあたることになるとAppleは発表した。

「JamieとZackは世界的にも類を見ないほどの才能を持つテレビ界のスターで、新たなテレビの黄金期をつくる上で欠かせない存在でした」と声明の中でCueは述べた。「私たちは顧客のために心が躍るようなプランを準備していますし、ふたりがこれまでに培ってきたものをAppleで発揮してくれるのをとても楽しみにしています。Appleのこれからに是非ご期待ください」

ErlichtとVan Amburgは、ここ数年で大ヒットをおさめた作品を手掛けたことでその名が知られている。特に彼らが携わっていたオンライン向けの番組のおかげもあり、ストリーミングサービスはケーブルテレビとの戦いで優位に立ち、視聴者数と人気を伸ばしてきた。代表的な番組としては『ブレイキング・バッド』『ベター・コール・ソウル』『ザ・クラウン』『レスキュー・ミー NYの英雄たち』などがある。

「Appleのチームに参加できることを光栄に思っています」とErlichtは語った。「圧倒的なクオリティという、これまでAppleがコンシューマー向けの製品や他のサービスで形にしてきたことを、私たちはビデオでも実現したいと考えています」

「Appleは顧客を喜ばせるプロダクトの開発を何よりも大切にしています」とVan Amburgは話す。「私たちはその考え方をAppleの番組制作にも反映させていきたいと思っています。これから何が起きるか本当に楽しみです」

なお、今年Appleが制作した『Planet of the Apps – アプリケーションの世界』という『Shark Tank』(日本版注:『マネーの虎』のアメリカ版で起業家候補が投資家にプレゼンを行う番組)のような番組の評価は、リリース直後からきっぱりと分かれている

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

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TechCrunch Japan

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