Appleが今日(米国時間6/6)、Business Chatを披露した。それはiMessageをFacebook Messengerと競合するコミュニケーションプラットホームに仕立てるとともに、iMessageをユーザーがお店や企業と対話するメインの手段にするかもしれない。
このサービスがデベロッパーサイトのアップデートで秘かに発表されたのは今週の初めだったが、そのときは詳しい情報がほとんどなかった。今日はしかし、WWDCにおける正式の発表となった。
Business ChatはiOS 11の一部となり、個人ユーザーがSafariやMaps、Spotlight、SiriなどからiMessageのウィンドウを開いてお店や企業と会話を開始できる。それは通常のテキストベースのチャットだが、その中に、アポイントの予約など、高度な機能が盛り込まれる。
それだけでなく、Business ChatはiMessageのApp Storeに新しい機会を開くだろう。つまり企業やお店は、チャットに独自の機能を導入できるのだ。たとえばAppleが示している例では、わざわざ航空券予約アプリを開かなくても、チャットの会話の中で予約できてしまう機能だ。
Business Chatをカスタマーサービスに統合することもできる。それを実際にやる初期のパートナーは、LivePerson, Salesforce, Nuance, Genesysなどだ。LivePersonのCEO Robert LoCascioによると、LivePersonのプロダクトの中から、カスタマーサービスのそのほかのメッセージと一緒に、Business Chatの会話を管理できる。
LoCascioが語るLivePersonの究極の目標は、“カスタマーサービスと営業から音声による対話をなくす”ことだ。Business Chatを使えば、その目標に接近できる、と彼は述べる。重要なのは、会話を完全に暗号化して“本物のビジネスプロセス”もできるようになることだ。Business ChatはApple Payをサポートするから、顧客がチャットの中で製品を買うこともできる。
“顧客と企業(お店)の関わり方が、これでがらりと変わってしまうね”、とLoCascioは語る。
Facebook Messengerのメインの話題はチャットボットだが、LivePersonのRurik Bradburyによると、“Appleは人間の体験を作り出そうとしている”。何よりもまず、Business Chatの会話を始動するのは、企業(お店)ではなく顧客でなければならない。
さらに、Bradburyによると、Business Chatの現状は人対人の会話に限定され、チャットボットは介入できない。そのうち、チャットボットもサポートされると思うけどね。
デベロッパーや企業(お店)は、自己のアプリ等への、Business Chatの統合をテストできる。