Appleはいつ、ARMプロセッサを搭載したMacを出荷するのだろうか?これこそが、同社が独自のチップをゼロからデザインし製造を始めたときから、同社のウォッチャーたちの心を1番に占めてきた問いかけだ。
その質問への答えは「今」だ、ある意味では。Appleの新しい13″ならびに15″ MacBook ProモデルにはTouch Barが搭載されている。Barと、一緒に搭載されているTouch IDセンサーのどちらも、ラップトップの中心にあるインテルのプロセッサと、AppleのデザインしたT1チップによって駆動される。このT1は、新しいApple Watchシリーズ2の中にあるS2チップに相当するものだ。
T1は、Apple WatchのS2のプロセッサとSecure Enclaveで構成されている。
Appleがその基調講演で述べたように、タッチIDセンサーのセキュリティを扱うが、それ以外にも沢山のタスクをこなしている。それはカメラ、パスワードを保存するキーチェーン、そしてTouch Barのセキュリティを保護している、
これらの詳細のいくつかは、昨日開発者のSteven Troughton-Smithによって確認された。T1の性質とその機能についての、更なる詳細と沢山の情報は、私自身の情報ソースからも得ることができている。
T1はまたTouch Barへピクセル画像を送信している、とはいえその送られるコンテンツをレンダリングしているのはMacBookのメインプロセッサなのだが。Touch Barの上で起きるタッチイベントは、完全にMac OS Xで制御されている ‐ このため、T1がMacOSのタッチサポートを活用するための最初のコンポーネントということになる。
データの送信はメインプロセッサによって処理されるが、Secure Enclaveを活用するために、画面上のApple Payダイアログは完全にT1によって描画されている。なおSecure EnclaveはiPhoneやApple Watchデバイスの中と同様に、個人情報を分離するためのチップの1部を構成するものだ。
Touch Bar自身は、変更を施された軽いバージョンのwatch OSを利用している。T1が動作するためにはそれを動作させ、他にデータを送ったり、イメージを扱うためにも必要だからだ。
Appleが、このハイブリッド構成でやっていることはとても興味深い。ARMチップに「切り替える」代わりに、Appleは特定のタスク向けのチップを製造することを決め、その目的だけのために使うことにしたのだ。ちょうどインテルのチップが、OS Xの重いマルチスレッドリフティングが得意であるように、T1はタッチIDのセキュリティとApple Payダイアログの表示という、ライトウェイトリフティングのために生まれた。
この特殊チップによるアプローチは、iPhoneのモーションコプロセッサーでも見たものだが、特別なタスクが特別なツールによってより良く扱われる場所であるMacBookでは、はるかに大きな意味がある。
将来的に、このオンボードT1で何が可能になっていくのかを見ることは楽しみだ。また私はこれまで以上に、ARMによって強化されたiMacとMac Pro向けの、Touch ID組み込みキーボードが発表されるのではないかと考えている。
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(翻訳:Sako)