San Francisco Chronicleや、他のTech系メディアなどで、Appleが電気自動車メーカーであるTeslaの買収を検討中だと報じている。スマートフォンやタブレットの市場については価格競争の圧力も高く、大きな成長のために他の市場に視野を広げるというのは、確かにありそうな話だ。
ちなみにTeslaの企業価値は250億ドルとなっており、買収するとなるとかなり大きな買い物となる。しかしAppleには1600億ドル程度の現金があり、価格はいくらでも大した障害にはならないのかもしれない。もっと正確にいえば、Appleこそ、Tesla買収を考え得る唯一の企業ということになるかもしれない。大きな成長可能性を持つ市場に参入することになるわけで、そのバランスで考えれば数百億ドル程度は何の問題にもならないとも考えられる。
Tesla自体、ここしばらくも変わらずに好調な成長を続けている様子だ。株価も車の売り上げも大いに伸びている。リリースしているのはRoadsterおよびModel Sで、クロスオーバータイプのModel Xは今年後半からの納車となる見込みだ。予約も好調で、サイトの注意書きによればこれから予約しても手に入れるのは来年になるそうだ。株価は昨年比500%の伸びを示し、投資家たちもこの結果に大いに満足しているはずだ。Consumer Reportsでも、車としての過去最高評価と並ぶ評価をうけており、購入者に向けたファイナンスプランなども各種提供している。
今回の噂は、昨年春にElon MuskとAppleのM&A部門エグゼクティブのAdrian Pericaが会談したことに端を発している。多くのアナリストは、合併についての具体的な動きはないと考えている。そうではなくて、Muskが言及していた新しいバッテリーについて、何らかの形での提携を行う予定なのではないかと考えている人が多いようだ。Appleプロダクトを通じたエクスペリエンスが、自動車の世界にも実現されるとなれば、これは確かにわくわくする話だ。しかしTeslaにとっての旨味があまりないのではないかという分析にも一理ありそうだ。
ジョニー・アイブのデザインした自動車なんてものを見てみたい気もするのだが、どうだろうか。
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(翻訳:Maeda, H)