大いに話題を集めたAppleのiWatchではあるが、どうやら期待通りのプロダクトではないようだ。
フレキシブルディスプレイ搭載で、Siriによる操作が可能であるという噂もあった。しかし、実のところはiWatchとはAppleデバイスを装着するための「バンド」に過ぎないようなのだ。
上には、リハーサル時点でのリークビデオを掲載しておいた。ビデオを見れば使い方はすぐにわかる。この「バンド」でiPhoneないしiPadを手首に巻きつけて使うわけだ。「バンド」の価格は249ドルなのだそうだ。この価格は他のスマートウォッチを意識したものだが、もちろんiPhoneおよびiPadは別売りとなっている。
Appleに発売時期について尋ねてみたが、現在のところ詳細な情報は入手できなかった。アナリストによれば、iWatchは次世代iPhoneと同時に、7月に発表されるのではないかとのことだ。
発売時期や地域についての情報は得られなかったものの、MBAないしMBPについても対応可能であるとの説明は受けた。これによりスマートウォッチにて「フル機能」を体験することができるようになっているわけだ。
「iPhoneやiPadを指して、情報消費のためのデバイスであると言う人たちがいます」と、匿名を条件にAppleのエグゼクティブがインタビューに応じてくれた。「私たちは、iWatchについては生産的な用途にも活用してもらいたいと考えているのです。そこでノートデバイスを取り付けられるようにしたのです」とのことだ。
Appleとしては、デザイナーやクリエイティブによる利用シーンを想定しているのだろう。
ちなみにこのiWatchプロダクトを存分に活用してもらうため、Appleは関連プロダクトのリリースも計画しているようだ。見れば誰でもわかるように、このiWatchに大型のAppleデバイスを取り付ければ、身につけた状態で歩いたり、手を動かしたり、そしてもちろん作業を行ったりするのが、肉体的に大きな負担となる。そこでAppleはそうした動作による体重減を測定するための、エクササイズ関連グッズをリリースする予定だというのだ。「重たいスマートウォッチを使ってダイエットしよう」ということのようだ。
Appleがこうしたプロダクトのリリースを考えているのは、もちろんSamsungによる身体データの数値化(Quantified Self)関連プロダクトの充実を意識したものだ。Galaxy S IVにはハートレートモニターや体重計などの機能を持たせるのではないかと噂されている。
Appleとしてもいろいろな戦略があるのだろう。ただ、個人的にはiWatchがコンピューティングデバイスではなく、単なるアクセサリーであることに失望の気持ちを禁じ得ない。もちろんAppleのこうした選択は生産コストやR&D費用の削減を目指したものであるということなのかもしれない。
Appleは「期待値管理」の手法を用いているつもりなのだろう。これはMapsでも同様であったと言うことができるかもしれない。戦略の成否は時が明らかにしてくれるものと思う。
訳注:本記事は米国TechCrunchサイトからの翻訳であり、同地は未だ4月1日であることを記しておきます。みなさまの温かいご理解をよろしくお願い致します。
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(翻訳:Maeda, H)