Appleはもうわれわれを大人扱いしてもいい。この会社がiOSでスマートフォンに革命を起こしたことに疑いの余地はない。しかし、iOSが年を重ねるにつれ、そのユーザーも年を重ね、初めてのスマートフォンユーザーは減っている。この、コンピューターをポケットにというアイデア自身が新しいものだった頃は、ユーザーの自由を奪っていたのもわかる。しかし、Appleがスキューモーフィックなデザインから、抽象化を高めたフラットデザインへとiOS 7で移行しようとしているのと同じように、オペレーティングシステムをどう使いたいかに関して、もう少しユーザーを信用し、権限を与えるべきではないだろうか。
実際Appleは、Facebook Homeのようなものを許したことがない(あれはいずれにせよ醜悪たが)。しかし、そろそろAppleも、一部でもいいからデフォルトをApplアプリからサードパーティーのサービスに切り換えることをユーザーに許してもいいだろう。
その典型例はもちろんSafariだ。GoogleのChromeやOpera、その他ライバルブラウザーの多くは、様々な面でSafariより優れている。Goolge、Operaのいずれも、プロキシーサービスによってユーザーに通信費の負担を軽減させようとしている(ChromeではAndroidのベータ版で始まったばかり)。Appleも近々同じ機能を提供するのかもしれないが、ユーザーが標準ブラウザーを選択できてもいいはずだ。すでにGoogleは、Gmail for iOS等の自社アプリから、可能な場合にはiOSユーザーをChromeに転送しているが、殆どのアプリはこれをやっていないため、ブラウザーを切り替えても意味がない。
同じことはAppleマップにも言える。これは、標準のiOSアプリがライバルより劣っている例の最たるものだが、Yelpをはじめとする人気アプリが常に開くマップは今でもこれだ。マップはスタンドアロンで使いたいだろうから、乗り換えは多少楽だが、それでも本来不必要な手間だ。
アプリ以外では、そろそろAppleがサードパーティー製キーボードを許してくれると嬉しい。実際、標準のiOSキーボードは少々古くなってきた。いずれAppleも、(Googleと同じように)Swypeを真似てスワイプ型キーボードを作るに違いないが、選択の自由に関しても何かあってしかるべきだ。
私にはあのささやきが聞こえる:「だったらAndroidにすればいいじゃないか?」 真実はと言えば、おそらく私はそうする。長い間のトレードオフは、〈すばらしいユーザー体験(iOS)〉対〈よりオープンなシステム(Google)〉だった。今やGoogleのユーザー体験は事実上Appleと変わらず、サービスはずっと優れている。今Appleが決断すべきは、システムを封鎖し続けて体験を一人占めにするのか、あるいは、少しでもオープンにして、少しでもユーザーの選択肢を増やすかだ。
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(翻訳:Nob Takahashi)