AppleがiCloudのためにサードパーティーのクラウドサービスを利用していることはよく知られている。そしてCNBCは、Apple自身の文書に興味深い情報があることを発見した。現在Appleは、iCloudデータの保存にAmazon S3およびGoogle Cloudのストレージサービスを使っている。
去る2016年、CRNはAppleがクラウドストレージに関してGoogleと契約を結んだことを報じた。しかし、Appleの文書は初めてこの関係を正式に認めた。
この情報は2018年1月発行のApple iOS 11セキュリティー・ガイドに書かれている。そこにはユーザーのファイルが小さな断片に分割かつ暗号化されて保管されていると説明されている。暗号化キーとメタデータ情報はAppleの自社サーバーに保管される。しかし、暗号化されたファイル自身はサードパーティーのサービスに保管される。
ユーザーは、AmazonやGoogleが自分のiCloudデータを管理しているとは思いもよらないだろうが、暗号化キーがなければAmazonとGoogleはこれらのファイルをどうすることもできない。つまり、AmazonやGoogleにデータを見られる可能性は極めて低い。
「暗号化されたファイルの断片にユーザーを特定できる情報は含まれておらず、S3、Google Cloud Platformなどのサードパーティー製ストレージサービスを利用して保存される」と文書に書かれている。
かつてAppleは、Microsoft Azureとの提携関係に言及したことがある。文書の文言はいまひとつ明確ではない。Appleは名前を出さずに他のサービスも使っているかもしれない。
いずれにせよ、これはいわゆる「非対称競争」の好例だ。AppleとGoogleはスマートフォン市場のシェア争いで非常に激しい戦いを繰り広げているが、AppleはGoogleの顧客でもある。AppleはAmazonやMicrosoftとも別の分野で競合している。したがってAppleがライバルとの関係を完全に断ち切るためには、クラウドホスティングをいっそう強化する必要がありそうだ。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )