Amazon Web Services(AWS)が今日(米国時間11/22)、一部のストレージサービスの大幅値下げを発表した。また、コールドストレージサービスGlacierを利用するデベロッパーのために、新しい機能をいくつかローンチした。
新しい料金のうち、デベロッパーにとっていちばん気になるのはS3だろう。それはAWSのメインのクラウドストレージサービスだが、これまでの6種に代わって0-50TB; 50-500 TB; 500+TBの3種になる。そして多くのリージョンにおいてS3の料金は、約20%下がる。
AWSのコールドストレージサービスGlacierは、あまり使わないデータを安全に保存しておくための場所だが、こちらはさらに大幅な値下げが行われる。すなわちNorthern Virginia, Oregon, Ireland(アイルランド)の三つのリージョンでは、データ1GBあたり月額0.004ドルとなり、従来より43%の値下げだ。
Glacierのユーザーにとってもっと重要なのは、二つの新しいデータ取り出しオプションが加わったことだ。Glacierのセットアップは時間がかかるので、ユーザーはデータをすぐにダウンロードできない。それがコールドストレージの安い理由でもあるのだが、ユーザーはまさに“コールドな”ストレージとしてしか使えない。そこでAmazonは今度の新しい二つのオプションのひとつにより、特別料金でデータを早く取り出せるようにした。新しいオプションのもうひとつは、Glacierのデフォルトである3〜5時間より遅くてよければ、同じ料金でもっと多くのデータを保存できる。
最初の‘迅速(expedited)’オプションは、保存が1GBあたり0.03ドル、データ取り出し一回あたり0.01ドル払うと、1〜5分でダウンロードできるようになる。AWSによると、このオプションを有効に使えるのはGlacierに100TB以上のデータがあるユーザー、そのほかのユーザーにとっては従来からあるS3 Infrequent Access storageの方が良い、ということだ。Glacierのデフォルトの標準リクエスト料金は1GBあたり0.01ドル、1000リクエストあたり0.050ドルだ。
AWSは何でも分かりにくいが、この迅速取り出しには実はタイプが二つある。オンデマンドと、配備済み(provisioned)取り出しだ。オンデマンドは、上に述べたルールの方式だ。そして配備済み取り出しは、1ユニット100ドルで、毎5分間に3回までの迅速取り出しを、最大150MB/秒のスループットで行える。事前配備をしてない場合は、迅速取り出しはそのキャパシティがあるときのみ、リクエストに応じる。
Glacierからのデータ取り出しの時間が気にならないユーザーには、新たに‘バルクオプション’というものがある。それは時間が5〜12時間かかるが、費用は1GBあたり0.0025ドル、1000リクエストあたり0.025ドルだ。
これらの新し取り出しオプションを、GoogleのColdlineストレージサービスと比べるとどうだろう? こちらは、1GBあたり月額0.007ドルで保存、取り出しは1GBあたり0.05ドルだ。一部のリージョンではAWSの新しい料金体系より高いが、Googleの場合はデータへのアクセスが多くの場合リアルタイムだ。