AWSがデベロッパー向け地図サービス「Amazon Location」を発表

AWSは米国時間12月16日、Amazon Location(アマゾン・ロケーションズ)のプレビュー版を発表した(AWSリリース)。ウェブベースやモバイルのアプリケーションに位置情報に基づく機能を搭載したいデベロッパーのための新サービスだ。

EsriとHERE Technologiesから供給された地図データに基づき、同サービスは基本的な地図や観光スポット情報など地図サービスに期待されるあらゆるサービスを提供する。トラッキング機能を内蔵していてジオフェンシングも可能だ。ただし、ルーティング(経路)機能はない。

「地図や位置把握など位置情報に基づく機能を、もっと簡単でコスト効率よくウェブやモバイルアプリに追加できるようにしたいと考えました。これまでサービスへの追加は複雑で高くつくだけでなく、1つの提供者のビジネスモデルとプログラミングモデルに縛られていました」と、AWSのJeff Barr(ジェフ・バー)氏は発表文で述べている。

画像クレジット:Amazon

Amazon Locationが提供する機能の中心は、2社のパートナー(他社とも交渉中)からのデータとスタイルに基づくマップを作る機能と、観光スポットの情報だ。もちろんこれらはどの地図サービスにもある2大基本機能だ。Amazon Locationはこれに加えて、トラッキング機能が組み込まれているため、アプリはトラッキングデバイスから位置情報を受け取って地図にプロットすることができる。この機能はAmazon Locationのジオフェンシングツールとも連動しているため、デバイス(あるいはそれを着けている犬)が特定のエリアを離れた時にアプリがアラートを出すことができる。

Google Mapsプラットフォームほど機能満載ではないが、AWSはLocationをもっと安く、マップタイル1000個取得が0.04ドル(約4.13円)からというさまざまな料金プラン(3カ月無料トライアル付き)で提供すると約束している。AWSの例にもれず、ここから先の料金体系はぐっと複雑になるが、全体的に価格は妥当だ。

AWSのタイルベースの価格とGoogle(グーグル)の価格を直接比較することはできないが、Google Map Platformでは月額200ドル(約2万660円)の利用範囲を超えると、1000リクエスト毎に2ドル(約207円)かかることは覚えておく価値がある。

何回もの価格変更(Geoawesomeness記事)を経て、グーグルの地図サービスはデベロッパーの信用を大きく失った。AWSは、この新プラットフォームでそこにつけ入ることができるかもしれない。現在のサービスにあるいくつかのギャップを埋める機能をつくることができればさらに可能性がある。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:AWS地図

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

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