Amazonは、同社のクラウドコンピューティングサービスEC2の新しいインスタンスタイプを発表するのは木曜日の午後遅くが良い、とどこかの占い師に言われたらしい。そこで同社は今日(米国時間6/11午後4時)、EC2の新しい汎用インスタンスタイプM4のローンチを発表した。
この新しいインスタンスは、サイズがlargeから10x largeまで6種類あり(下表)、これまでの汎用インスタンスタイプM3と併用できる。前のM3インスタンスと同様に、新しいM4もデベロッパに、メモリの量と、ネットワーキングのスピードと、処理能力、この三者のバランスを提供することをねらっている。Amazonによると、この新しいインスタンスタイプは、とくに、“リレーショナルでインメモリのデータベースやゲームサーバ、大量キャッシング、バッチ処理、SAPやMicrosoft SharePointなどのビジネスアプリケーションに向いている”。
M4インスタンスはAmazonのストレージサービスEBS向けに最適化され、プロセッサは同社がEC2のためにチューンナップしたIntel Xeon Haswellが使われる。最大サイズの10x largeは40の仮想CPUと160 GiBのメモリがあり、その大きさは現在のAWSの汎用タイプの中でも群を抜いて最大だ。
またAmazonのJeff Barrによると、M4インスタンスは今後、Amazon独自の高性能ネットワークI/O enhanced networking(従来の4倍のスピード)を使用し、レイテンシの乱高下を抑える。
EC2担当VPのMatt Garmanはこう述べている: “M4インスタンスは当社がカスタム化したIntel Haswellプロセッサと、大型のインスタンスサイズにより、EC2の汎用タイプインスタンスの能力をさらにアップする。またAmazon EBSへの専用帯域とEnhanced Networkingにより、さらに高性能なネットワークパフォーマンスをご提供する。これらの、汎用タイプインスタンスへの適用は、今回が初めてである。これらによりM4は、弊社の最強のインスタンスタイプの一つであり、計算力とメモリとネットワークリソースの均衡を必要とするワークロードのためには最高の選択である”。
現時点でこの新しいインスタンスが可利用なリージョンは: US East(Northern Virginia)、US West(Northern California)、US West(Oregon)、Europe(Ireland)、Europe(Frankfurt)、Asia Pacific(Singapore)、Asia Pacific(Sydney)、Asia Pacific(Tokyo)である。
今日のアップデートに伴ってAmazonは、M3インスタンスと、より処理能力重視のC4インスタンスの料金をいくつかのリージョンでそれぞれ5%下げる。新料金は、オンデマンドインスタンスには6月1日にさかのぼって適用され、リザーヴド(予約)インスタンスには本日から適用される。