はっきり言っておこう。われわれはインターネットをコントロールしていない。インターネットがわれわれをコントロールしている。これに対するいかなる反論も無用だが、新しいKickstarterプロジェクト、Circleは、家庭内LANに接続されたデバイスを個々に制御するハードウェアとソフトウェアを使って、インターネットの遍在に逆襲する家族たちの力になろうとしている。
Circleはルーターではない。Xerox PARC出身のPowerCloud Systemsが、類似のコンセプトに基づいて作ったSkydogとはそこが異なる。ルーターおよびそこに接続された全デバイスとやりとりすることによって、家族のデバイスとインターネットの間にフィルターをかけ、子供たちのデバイスに年齢、時刻、広告コンテンツ等によって制限をかける。インターネット上の様々な行動に関して、自分のパソコンに通知させることができる。「ネガティブ」および「ポジティブ」な閲覧、どちら関しての通知も受けられる、とCircleは説明する。
言い換えれば、Circleは、NSAのPRISMプログラムの家庭版にファイアーウォールの要素を加えたものだ。サイトのカテゴリー別にアクセス時間をスケジューリングし、FacebookやYouTubeの利用時間がとんでもないことにならいよう、Pauseモードを使って寝る時間になったら全アクセスを遮断できる。子供の使う端末の広告を全部ブロックすることもできる。管理はすべてiPhoneアプリから行う。
彼らのソリューションの特長は、ユーザープロフィールを設定したり、個々のデバイスに監視ソフトウェアをインストールしなくてもよいところだとCirlceは言う。そして、既存のルーターと共にに動作するため、高価なデバイスを買ったりネットワーク設定を変更したりする必要がない。
Circleを支えるチームには、元国防省向けネットワークセキュリティー技術者のTiebin Zhang、HoneywellのWi-Fi制御システムエンジニア、およびデザイン、スポーツ、ビジネス開発その他多くの経験を持つ起業家、Jelani Memoryらがいる。Circleの外観は間違いなく美しく、おそらくこれは、ファウンダーでプロダクトマネージャーのSean Kellyのおかげだろうが、このルックスに負けない性能を出せるかどうかはまだわからない。
Circleは、Kickstarterで150ドルのプレッジ(支援金)を出せば予約注文が可能で、出荷予定は2014年8月。ハードウェアのスタートアップが、出荷までに十分な期間を置くのは良いことだ。同スタートアップは、プロジェクトのために総額25万ドル程度の資金を調達し、現在のプロトタイプを元に量産化するつもりだ。
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(翻訳:Nob Takahashi)