オープンソースのストリーミングデータベースプロジェクトApache Kafkaの商用サービスを提供しているConfluentが今日(米国時間3/7)、5000万ドルの資金調達を発表した。
そのラウンドはSequoiaがリードし、BenchmarkとIndex Venturesが参加した。SequoiaのMatt Millerが、これを機にConfluentの取締役会に加わる。これで同社の資金調達総額は8000万ドルになる。
Kafkaは一種のメッセージングシステムだが、LinkedInがこれを最初にオリジナルで作ったときは、大量のデータをアプリケーション間、システム間、オンプレミスとクラウドの間などでスムーズに移動することが目的だった。一度にものすごく大量のメッセージを扱えることが、要件とされた。
ConfluentのCEO Jay Krepsによると、LinkedInのチームは、企業内のすべてのデータを、それらがどこにあろうと扱えて、またデータへのアクセスや応答がどこからでもできることを目標とした。“毎日1兆件のメッセージをリアルタイムで処理できるそのシステムをわれわれはオープンソースにして、シリコンバレー全域に普及させた。今の巨大テクノロジー企業の中には、Kafkaを軸として構築されているところが少なくない”、という。
内部システムの中核としてKafkaを使っている企業の例として、Netflix, Uber, Cisco, Goldman Sachsなどが挙げられる。リード投資家SequoiaのMatt Millerは、事前にこれらユーザー企業に聞き取りをして、Confluentの今後の市場が巨大であることを確信した。“Confluentは次の10年でもっともインパクトの大きい企業になりうる、とわれわれは見ている”、と彼は語る。
Confluentには無料のコミュニティエディションもあるが、企業ユーザーの多くは補助的ツールの揃った有料エディションを使いたがる。それらのツールは、複雑な企業内におけるデータフローを管理しモニタするツール、Kafkaのクラスタ上におけるデータフローの最適化と均衡化のために全社的なデータフローを追跡するツールなどだ。さらにConfluentは、いくつかのサポートプランを用意している。
Millerによると、社内の多様なシステムをKafkaを使わずに接続することはできるが、それは効率が悪くて費用も大きい。“多くの企業が、場当たり的な統合化や、時間のかかるバッチ処理でお茶を濁してきた。Kafkaを使えば、もっと安上がりに大量の情報を共有できるし、古いシステムから乳離れしてマイクロサービスへの移行もできる”、と彼は説明する。
大量のデータを扱えてしかもさまざまなシステムと迅速にコミュニケートできるKafkaは、IoTにもすごく向いている。数年後にはIoTが生成するデータが膨大な量になり、しかも企業は、それらのデータを迅速有効に利用するための方法を必要とするのだ。
今度の5000万ドルの使いみちとしてKrepsは、急速に成長している市場への対応能力の完備を挙げる。“この動きの激しい分野で先頭を走っているのだから、今後も先頭を維持しなければならない。順位が下がることは許されない。これからも、このカテゴリーの定義といえばこれ!、と言えるような技術を作り出し、それを世界中の市場に持ち込む必要がある”、と彼は語る。