D-Waveは米国時間2月26日、同社の量子クラウドサービスの最新バージョンであるLeap 2のローンチを発表した。これは開発者に量子システムへのリアルタイムのアクセスを提供するものだ。
D-Waveによると、18カ月前に前世代のサービスが開始され、それを使った何千人もの開発者のフィードバックを念頭においてLeap 2は開発されている。
Leap 2のコアとなるのはD-Waveの新しいハイブリッドソルバーで、最大1万個の変数を使って複雑な問題を処理できる。ハイブリッドシステムとして、D‐Waveはこれらの問題を解決するために、古典ハードウェアと量子ハードウェアの両方を使用する。
もちろんD-Waveは、この市場の他のプレーヤーとはまったく異なる種類の量子ハードウェアを使用している。量子アニーリングに焦点を当てているため、同社はノイズの問題を心配することなく、何千ものキュービットを持つマシンを構築することができるが、これは同時にユーザーがこれらのマシンで解決できる問題の種類を制限するものでもある。
Leap 2では、D-Waveのハイブリッドシステム用の新しい統合開発環境(IDE)も発表された。これにより開発者は、同社の最新のOcean SDKやツールを含む、プラットフォーム上で動作するソフトウェアを構築するための事前設定されたツールを入手できる。
「Leapにより、リアルタイム量子アクセスへの扉が開かれた。そしてLeap 2では、開発者と企業にビジネスアプリケーションの鍵を提供する。ハイブリッドシステムを提供することで、複雑さと問題の大きさに関連する多くの障壁を取り払う」と、D-WaveのCEOであるAlan Baratz(アラン・バラッツ)氏は2月27日の声明で語っている。「開発者や企業のリーダーは、自分たちのアイデアやイノベーションをビジネスに真のインパクトを与える量子アプリケーションに変えるためのツールとサポートを必要としている。量子アプリケーションを迅速に考案、構築、導入できなければ、新たな収益を獲得したり、業界が直面する最も困難な問題を解決したりすることはできない。Leap 2はこのギャップを初めて埋めるものだ」。
今のところ、Leap 2はD-Waveの量子コンピュータである2000Qを利用している。また準備が整い次第、同社のより強力なAdvantageシステムへのアクセスも提供される。
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(翻訳:塚本直樹 Twitter)