App Storeの売上にApple(アップル)が高率の手数料を課することにFortniteの開発元であるEpic Gamesが戦いを挑んだ。アップルはUnreal Engineを含む開発ツールの削除を通告した。しかしEpicは引き下がる姿勢を見せていない。Epicはアップルから来週いっぱいで同社のデベロッパーアカウントを削除し、すべてのデベロッパーツールへのアクセスを禁止することを通知する書面を受け取った。これに対して、米国時間8月17日朝、Epic Gamesはカリフォルニア州北部地区連邦裁判所にアップルに対する差止命令の申立てを行った。
アップルはApp StoreからFortniteを削除し、8月28日を終期としてEpicのすべてのデベロッパーアカウントを削除し 、同時にiOSとMacの開発ツールに対するアクセスも禁ずると通知してきた。我々はこのような報復行為に対し、裁判所に差し止め請求を行っている。詳細はリンク先に。
差し止めの申し立てによれば、Epicはアップルの行為を報復と非難すると同時に、モバイルアプリ市場におけるアップルの独占体制を打ち破ることを使命と考えていることを再確認した。またアップルがEpic Gamesの一切のデベロッパーアクセスを差し止める行為がFortniteと無関係な広汎なビジネスに打撃を与えるものだと指摘した。同社はゲームエンジンを代表する有力なプロダクトであるUnreal Engineを多数のサードパーティのゲーム開発企業にライセンスしている。
申し立てでは「アップルはEpic Gamesに対し8月28日を終期として、同社のプラットフォームでゲームを制作するために必須であるすべての開発ツールへのアクセスを禁止すると通告してきた。これには、Epicが多数のサードパーティーのデベロッパーにライセンスしているUnreal Engineが含まれている。これらのツールは、アップル自身も利用約款に違反するとは一度も主張していない」と述べている。
「アップルは単にFortniteをApp Storeから削除するだけでは満足せず、Fortniteとはまったく無関係なEpic Gamesのビジネス全般に影響する攻撃を仕掛けてきた。最終的には法廷で我々の主張が認められるものと信じているが、差止命令が認められなければEpic Gamesは法廷から最終判断を得るよりはるか前に回復不能なビジネス上の打撃を受けることになる」と主張している。
先週、Epic GamesはFortnite内にアプリストアに手数料を支払うことなく直接支払が可能となる機能を追加することによりアップル、Google(グーグル)双方のアプリストアの規約に違反した。簡単にいえば、Fortniteのプレイヤーはこの機能を利用すればストアに手数料を支払わずに済むため、有利な条件でデジタルグッズの購入ができる。アップルは即座にこれを規約違反としてFortniteをApp Store から削除した。これに対しEpicは反アップルのPRキャンペーンを開始した。テクノロジーの巨人に対する反撃は十分に準備されたものだったようだ。Epic Gamesは反トラスト法による訴訟を起こすと同時にアップルの有名な「1984」CMを下敷きにした「圧制者を倒せ」と主張するビデオを流した。
TechCrunchの取材に対し、アップルはこの展開に関する新たなコメントを避け「アップルはこの問題を解決するためにEpic Gamesと協議しており、FortniteがApp Storeに復帰できるようあらゆる努力を払っている」という従来の主張を繰り返した。
Epic Gamesのアップルの行為に対する差し止め申し立ての全文はこちら。
関連記事
・大人気バトルロワイヤルゲームFortniteがApp Storeから消滅、メタバースの未来どうなる?
・Fortniteを削除されたEpic Gamesが反アップルキャンペーンを全力展開、提訴も準備
・Android版FortniteもGoogle Playストアから消滅、2018年に続き二度目
カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Apple App Store Epic Games Fortnite
画像クレジット:Andrew Harrer/Bloomberg via Getty Images / Getty Images
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@Facebook)