Facebookはまたも好調だった2016年第4四半期を終え、売上88.1億ドル、1株当たり利益(EPS)1.41ドルだった。月間ユーザー数は18.6億人で前期の17.9億人から3.91%、7000万人増えたが、成長ペースは前期の4.67%より低かった。モバイルは前期と同じく広告収入の84%、72.48億ドルを売上げ、Facebookがモバイルへの転換を無事完了させたことを示している。
Facebookはアナリスト予測の売上85.1億ドル、EPS 1.31ドルを大きく上回った。利益は35.68億ドルで前年比177%増。前期は23.79億ドルだった。売上は前年比51%増、前期は56%増、Q2は59%増。Facebookは2016年通年で総売上276億を計上した。
前期Facebookは売上成長のペースは落ちると予告していた。2017年中頃に広告スペースが足りなくなると予測したためだが、既に影響は出ているようだ。しかしこの成長の鈍化にもかかわらず、投資家らは時間外取引の株価を2.52%押し上げた。通常取引の終値は2.23%高の133.23ドルだった。決算会見終了時には、時間外株価は0.94%高まで戻った。
1日当たりアクティブユーザー数は12.3億人、前期は11.8億人だった。対前年比は18%増、前期は17%だった。現在Facebookの月間モバイルユーザー数は17.4億人で前期は16.6億から増加した。モバイルだけを使っている月間ユーザー数は11.49億人で、これも前期の10.55億人から増えている。
最も重要だが見落とされがちなデータが、Facebookのステッキネス[定着率]、即ち月間ユーザーのうち毎日戻ってくる人の割合だ。この値はコンスタントに66%を維持しており前期も同じ数字だった。しかし、米国・カナダのユーザー成長は鈍化しはじめており、今期の1日当たりと月間のユーザー数は200万人の増加に留まり、1日当たりユーザーが1.8億人、月間が2.31億人となった。
Facebookがこれまで進めてきた顧客定着努力と広告ターゲティングが実を結びつつある。米国・カナダのユーザー平均広告収入(ARPU)は19.81ドルにも上り、前年から44%伸びた。全世界のARPUは4.83ドル、対前年比29.5%増だった。これは北米の1ユーザー当たり年間20ドル近く稼いでいることを意味している。西側先進市場でユーザーからできる限り現金を絞り出す一方、途上国でも着実に稼ぐその能力は、Facebookが近い将来大きく売上を増やす可能性を示唆している。
決算会見でCEO Mark Zuckerbergは、Facebookのビデオコンテンツ戦略について繰り返し質問を受けた。Zuckerbergは「まず短いビデオコンテンツに焦点を絞る」と説明し、プロのクリエーターからFacebookにコンテンツを提供してもらうために、維持可能な広告収益分配ビジネスモデルを作る必要があると語った。さらにZuckerbergは、コンテンツ以外のビデオ分野ついても状況を語り、毎月4億人がFacebook Messengerの音声通話とビデオ通話を利用していると話した。
ドナルド・トランプの当選を助けたとさるる偽ニュースが広まったいう報道を受け、Facebookは騒動の四半期を過ごした。そして今日、Oculusの共同ファウンダー、Palmer Luckeyが、VR会社のZeniMaxとのNDA違反に関わる損害に対して罰金5億ドルが言い渡された。
しかしその一方で、Instagramは輝きをみせ広告事業の拡大を続けている。Snapchat Storiesのクローン、Instagram Storiesは公開後わずか5ヵ月でユーザー数1.5億人に達した。TechCrunchは、多くの情報筋がInstagram StoriesはSnapchatからユーザーを奪っていると信じていると報じた。
13歳になったFacebookは驚くべきスタミナを見せつけており、モバイルへの移行やビジュアル中心の新たなメディアプラットフォームの出現にも関わらず、ユーザーは楽しんでシェアやいいね!を続けている。MessengerとWhatsAppでチャットを、Oculusではバーチャルリアリティーをさらに拡大中のFacebookは、頼りになる強力な中核ビジネスを持っている。もしInstagram Storiesや他の類似アプリを使ってSnapchatの脅威をかわすことができれば、Facebookは次の10年もソーシャルメディアを支配し続けることができるだろう。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)