Facebook、VRディスプレイを大幅アップグレードへ――Oculus Half Domeをデモ

ここ数年VRヘッドセットのハード面の進歩は停滞ぎみだった。 なるほど精細度が少しアップした、視線トラッキング機能が追加された、新しいコントローラーが発表された、などはあったが、全体としてみるとVRの進歩はソフトの分野で起きていた。この中で、FacebookはVRヘッドセットのハード面を根本的に改革しようとしているようだ。F8 2018デベロッパー・カンファレンスの2日目でFacebookは新しいVRヘッドセットをデモした。

社内でHalf Domeと呼ばれているOculusの新ヘッドセットでは、まず装着した際の視野が大きく拡大された。またVarifocalと呼ばれる高度なテクノロジーにより、ユーザーが見ている対象に合わせて映像の焦点を変えることができるようになった。

平均的な成人の水平視野角は200度程度とされているが、デモされたプロトタイプの視野角は従来の100度から140度に拡大された。これにより装着者は視野の周辺までヘッドセットで見ることができるようになり自然さが大きくアップする。重要なのは視野の拡大にあたって従来のフォームファクターを維持できたことだ。つまりHalf Domeのサイズは現行のRift製品と変わらない。これは「レンズ・テクノロジーの絶えざる進歩」によって可能になったという。ただし製品のサイズをこれ以上小型化するにあたってはデイスプレイに画期的な進歩を必要とするようだ。

現在市場に出ているVRヘッドセットは単一の焦点面しか表示できない。つまりユーザーは複数の焦点距離を利用できない。VRで文字を読もうとしたり、何かをはっきり見ようとしたりするなら、その対象はユーザーから2メートルの距離に置かれねばならない。これはVRの普及にあたって大きなハードルとなってきた。謎のスタートアップ、Magic Leapでは新しいディスプレイ・テクノロジーによりこの問題を解決したと主張しているが、そのテクノロジーを利用した消費者向け製品が製造できるのかなどの詳細は不明だ。

Oculusによれば可変焦点距離の表示を実現するために、プロトタイプのヘッドセット内でディスプレイを物理的に前後に移動させているという。簡単にいえば、カメラのオートフォーカスと同じ仕組みだが、多くのカメラのように作動音を立てたり振動を感じせたりしないという。

Oculusはこれ以外にディスプレイ分野での研究をいくつも紹介したが、このVarifocalテクノロジーは研究の成果がサイズや重量を増やさないままで製品に組み込まれる日が近いことを感じさせた。OculusはHalf Domeプロトタイプの紹介に力を入れていたが、これが製品化されればハイエンドのVRヘッドセットの基準は一変するに違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

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TechCrunch Japan

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