Facebookのヘルスケア事業への新規参入を妨げたと言われるCambridge Analytica(ケンブリッジ・アナリティカ)スキャンダルから1年半、ソーシャルメディアの巨人はPreventive Health(予防衛生)という名前のツールを公開し、ユーザーに定期的な健康チェックを促しサービス提供者と繋ごうとしている。
新サービスの立案者は同社のヘルスケア研究責任者であるFreddy Abnousi(フレディ・アブヌーシ)博士で、かつては匿名の医療データを収集し「ハッシング」という技術を使って2つのデータセットに存在する個人のデータを(CNBCの報道によると研究目的で)マッチングする秘密プロジェクトに関わっていた。
American Cancer Society(米国ガン協会)、American College of Cardiology(米国心臓学会議)、American Heart Association(米国心臓協会)、およびCenters for Disease Control and Prevention(米国疾病予防管理センター)の協力を得て、Facebookはユーザーが一定年齢層の健康を維持するために必要な一連の標準的検査を受けるよう促すデジタル催促状を開発している。
最初に焦点を当てたのは、米国の2大死亡原因である心臓病とガンに加えて、毎年数百万人の米国人が罹病するインフルエンザだ。
「心臓病は世界中の男女の最大の死亡原因であり、多くの場合100%予防が可能だ。人々が毎日アクセスするプラットフォームに予防リマインダーを導入することで、心臓の健康に関する事前行動を起こすためのツールをユーザーに提供できる」とアメリカ心臓学会議のRichar Kovacs(リチャード・コヴァクス)会長が声明で語った。
Preventive Healthツールを利用したい人は、Facebookのモバイルアプリの中で、どの協力企業がユーザーの年齢性別に応じて必要な検診を薦めているかを知ることができる。
このツールを使ってFacebookは検査が完了したことを記録し、将来の検査日程のリマインダーを設定してFacebook上で通知することができる。Facebookは検査を受ける機関の情報も教えてくれる。やらないことはと言えば、Facebookはいかなるテストの結果も収集しないことをユーザーに確約している。
「健康は特に私的なものであり、プライバシーと安全については最初から考慮している。たとえば、Preventive Healthを使ってユーザーは将来の検査のリマインダーを設定し、完了の印をつけることができるが、検査結果には当社も協力医療機関もアクセスできない」と同社が声明で語った。「Preventive Healthの利用に関する個人情報は、医療機関や保険会社と共有こともないので、保険の資格審査などに利用されることはない。
新しい健康ツールの利用者は、インフルエンザ予防注射を接種できる場所を探すためにも利用できる、と同社は言う。「インフルエンザワクチンには病気予防以上の効果がある。入院によるリスクを軽減し、慢性疾患を持つ人の深刻な医療状態を防ぎ、妊娠中や産後の女性を守る」と予防接種と呼吸器疾患国立センターのディレクターであるNancy Messonnier(ナンシー・メッソニエ)博士が声明で語った。「このような新しいツールがあるとユーザーは自分たちのコミニュティーで先陣を切ってインフルエンザと戦うための情報や設備をすぐに利用できるようになる」。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )