Facebookが過去投稿を一括削除できるツールを発表、プライバシー管理を強化

Facebookはモバイルアプリにユーザーが過去の投稿を一括削除できるツールを発表した。いわゆるデジタル・フットプリントを簡単に縮小できるもので、Facebookのように歴史の長いソーシャルネットワークでは重要な機能だ。この「アクティビティの管理」は6月2日からモバイルアプリで一部のユーザーに公開され、数週間かけて順次公開範囲が広げられるという。

「アクティビティの管理」はユーザーの投稿を一括して削除できる機能だ。アクティビティを延々とスクロールして何年もFacebookを利用しているうちに溜まった不都合ないし不要な投稿を1つずつ消していくという骨の折れる作業から解放される。

Facebookはこの機能を説明するページに「大学を出て就職することになった、ある人間関係から離れたなど生活が大きく変化することがあります。Facebookは現在の自分をいっそう正確に反映させるために自分に関する情報を簡単に管理できるようにしたいと考えています」と書いている。

「アクティビティの管理」では自分のコンテンツ全体を日付、タグ付けされたユーザー、種別(写真、ビデオ、テキスト)などの条件を使って検索し、合致したコンテンツを一括して削除ないしアーカイブできる。新ツールをプレビューしてみたところでは、以前の投稿をスクロールして順次削除する方式に比べて圧倒的に便利だと思えた。

コンテンツを完全に削除するのをためらう場合は、削除ではなくアーカイブを選択できる。FacebookのアーカイブはInstagramのストーリーのアーカイブに似ており、ユーザー自身にしか表示されないという一種の隔離場所に置かれる。削除はデスクトップOSの「ゴミ箱に移動」に似ている。コンテンツは30日間サーバーに保存され、その間ユーザーは手動で完全に削除するか復元することができる。

これまでユーザーが古い投稿を削除しようとすれば、手動が面倒ならサードパーティ製のブラウザアドオンを使う必要があった。しかしこうしたサードパーティのアプリはマルウェアが蔓延していることで悪名高い。

Facebookにユーザーコンテンツの一括削除ツールがこれまで存在しなかったというのはやや驚きだが、巨大なプラットフォームにおけるプライバシー管理は非常にやっかいな作業で、歴史的に見てもユーザーが正しいオプションを発見するのが難しい分野だった。しかし多くのユーザーが大量の個人データをオンライン上に保存することに懸念を感じ始めたため、最近ではFacebookもプライバシー管理について、必ずしも自発的にではないが改善を加えている。 いじめや嫌がらせ目的であろうとなりすましなどの身元情報盗用が目的だろうと、などアカウントへの侵入者にとっては過去の投稿は宝の山だ。

時間の経過とともに過去の投稿やタグ付きコンテンツはある種のデジタル版の水垢のようにソーシャルネットワークの底に沈着してくる。 定期的にそうした付着物をこそげ落とし、クリーンな状態を保っておくことはプライバシー保護に役立つだろう。Facebookのようなポピュラーなソーシャルネットワークから完全に離脱することは難しくても、オンラインに投稿、保存したデータのプライバシーに注意を払い、管理を強化していくことは次善の策として有効だ。

【Japan編集部追記】Facebookの発表によればこのツールは将来はデスクトップにも拡大されるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

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TechCrunch Japan

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