FacebookがMessenger Roomsを改良しZoomに対抗

Facebook(フェイスブック)のZoom(ズーム)に対抗するソーシャルアプリであるMessenger Rooms(メッセンジャー・ルームズ)が、ルームの作成と発見を簡単にするとともに、Rooms体験をパーソナライズするための新機能を追加した。この改良は、Messengerが米国App Storeのランキングで常連だったトップ10からわずかに後退したことに続いて行われた。先週Messengerは最低で15位まで順位を下げたと、モバイルデータ分析会社のApp Annieは報じている。

その後Messengerはトップ10に返り咲いた。しかし、米国でバーチャル登校が始まり、子どもたちかZoomやGoogle Meet(グーグル・ミート)などの競合アプリに慣れ親しみ、放課後のおしゃべりにも使うようになることで、Messengerの利用が減少することが予想される。ちなみにGoogle Meetは、一部の学校が始まった8月中すでに15位に上昇している。そしてZoomは、米国App Storeのナンバーワンだ。

Messenger Roomsの新バージョンでは、招待を受けているルームが受信箱のチャット・タブの先頭に表示され、見つけやすくなっている。作った部屋を見つけやすくする機能もあり、チャットタブの前面中央におくことができる。

Roomsの管理方法も変わる。ルームを作る際に、デフォルトかおすすめかカスタムアクティビティーかを選ぶことができるほか、開始日時を設定したり、参加者の種別をカスタマイズできるようになる、とFacebookは言っている。Manage Rooms機能を使うと、作ったルームの確認、開始、編集、削除をしたり、既存のルームに追加で参加者を招待できる。

Share Roomsオプションを使うと、友だちに通知を送って招待されていることをリマインドすることもできる。

画像クレジット:Facebook


パーソナライズ面では、自分自身のRooms体験をカスタマイズする新機能の追加が始まった。ルームの背景は、これまでにも提供されていた360度背景やムードライティング・フィルターに加えて、自分の写真を使えるようになった。

偶然ではなく、RoomsのライバルであるHouseparty(ハウスパーティー)も最近、独自のパーソナライズ機能であるFramesを公開した。Framesはビデオチャットで使える独立アーティストがデザインした背景のオリジナルコレクションだ。

FacebookがMessenger Roomsを全世界で公開したのは今年の5月で、新型コロナウイルス・パンデミックの中で急速に普及したビデオ・コミュニケーションの世界に、ソーシャルなビデオチャット体験を提供することを目的としていた。世界的健康危機がMessengersのライバルの急増を招き、今も米国アプリストアのトップにいるZoom だけでなく、ソーシャル・ビデオ・アプリのHouseparty、Farm、Bunchなど多数が出現した。Z世代のユーザーもFacebook以外の空間での交流が増え、TikTok(ティクトック)を始め、ゲーミング・プラットフォームのRobloxやFortniteまでがライバルになっている。これは、Messengerがトップ・モバイルアプリの地位を維持する礎であったFacebookとのつながりによるネットワーク効果が失われる可能性を意味している。

こうした懸念には会社も気づいているようだ。今月Facebookは、InstagramとMessengerのチャットシステム統合を開始して、Messengerのトップアプリとしての地位確保を後押ししようとしている。

画像クレジット:Facebook

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook