Facebookで初めて、13歳以下の子供が正式に存在を認められる。プロフィールを持つことはまだできないが、親は子供(あるいはペット)の写真にダグ付けして「スクラップブック」を作ることができる。これは、親が赤ちゃんや幼児、少年少女の写真を一箇所に集めて、友達や家族とシェアできるようにするものだ。スクラップブックは、最初に米国で、iOS、Android、およびデスクトップ上に展開される。
Facebookは、子供が13歳になって正式にFacebookに参加できるようになった時、親がスクラップブックの管理を委ねられるようにする方法を探っているところだと話した。また、赤ん坊の写真を見るのが大嫌いなあなたへ。親に子供を識別する方法を与えることは、Facebookがあなたのフィードから赤ん坊写真を除外するための第一歩かもしれない。
差し迫った必要を製品に変える
Romを紹介しよう。Romは、Facebookのスクラップブック製品マネージャー、Dan Barakと共同ファウンダー(妻)から生まれた元気いっぱいのベイビーだ。Barakは、自分がFacebookにアップロードするRomの写真を整理する方法が欲しかった。そして作った。
「Romが生まれるより前のこと、私は親である友人たちが子供たちの写真にパートナーの名前をタグ付けしているのを見てきた。それは賢いハックだった。子供の写真にパートナーをタグ付けすることによって、アップロードしたことが大切な相手に直ちに通知され、その友達も見ることができ、パートナーのプロフィールの「あなたが写っている写真」のコーナーには子供の写真を置く場所が作られる。
「たくさんの親たちをインタビューした結果、[米国の]Facebookで子供の写真をシェアしている親の65%がこれをやっていることがわかった」とBarakは言う。
そこで、Twitterが “RT:” をリツイートボタンに変えたように、Barakはそのタグ付けハックの利点をすべて、Facebookスクラップブックに取り込んだ。
スクラップブックの作り方
スクラップブックを作るには、自分のプロフィールの「基本情報」セクションへ行き、”Family And Relationships” タブを開く。そこではスクラップブックをゼロから作るか、既にいる子供のために作るかを選べる。こうして自分が親であることを宣言し、自分の子供の仮想的存在を作ることができる(それがターゲティングに影響を与える件については後に触れる)。
Barakは私に、スクラップブックを始める際の家族の一員を選ぶ画面に、ペット用にも作れるイースターエッグが仕込まれていることを教えてくれた。
次に、スクラップブックのしくみを説明する可愛いらしいアニメ動画が始まる。主役は赤ちゃん象のEllyだ。次に、スクラップブックをパートナーと共同所有するかどうかを選ぶ。共同所有にすれば、相手も子供の写真へのタグ付け、タグに関する通知、標準で友達に表示させる設定、スクラップブックのプライバシー設定の変更等が行えるようになる。
スクラップブックが作られると、自分またはパートナーがタグ付けされた写真が表示され、可愛わが子が写っているのはどれかをクリックで教える(子供の顔認識は薄気味悪いだろうから行われない)。こうしてスクラップブックは、他のアルバムから集めたわが子の写真の特別なコレクションになる。親は他の人の写真に写っている自分の子供にタグ付けすることも可能で、その写真の公開設定が変わると通知される。
これからは、誰かに自分の子供の写真を見せたい時は、一箇所に全部が集まった場所がある。何年かたった後、ティーンエージャーたちが自分のスクラップブックの管理を引き継げるようにしたいとFacebookは考えている、とBarakは言う。
「Facebookにいる人は全員が自分のアイデンティーを制御できるべきだ」とBarakは言う。だから、中学時代の友達に笑れたくなければ、「スクラップブックは彼らには見えないし、何をするのもオーナーの自由だ。削除してもいいし、公開範囲を広くすることもできる」とBarakは言った。
どれが赤ちゃんの写真かがわかれば…
Barakによると、Facebookは「スクラップブックを早く出してフィードバックをもらいたい」ので、会社にコメントを送るためのリンクが目立つところについている。Facebookが追加を考えている機能の一つは購読ボタンで、例えば祖父母などが、子供の写真が追加されるたびに通知を受け取れるようにできる。
しかし、早期に公開することのリスクもある。未だにFacebookは、継子や継父母のいる複雑な家族のスクラップブックを作るエレガントな方法を見つけていない。スクラップブックのオーナーは最大2名で、その2人はFacebook上で正式な関係を持っている必要がある(ペットを共同所有する友達のための “domestic partner” は例外)。離婚した親はすぐに別のスクラップブックを作れるが、精神的ストレスの問題は残る。
親が表に出てくることはFacebookのビジネスにとっても良いことしれないが、Barak曰く、「それを目的にしたことはなかった。これは私の赤ん坊と共に生まれた愛玩プロジェクトだ」。それでも、スクラップブックを使うためには自分が親であることを登録する必要があり、それはおもちゃや子供服の広告をターゲットしたいFacebookの広告主へのシグナルになる。
明るい話としては、Facebookで赤ん坊の写真を見ることを嫌悪している人たちには運が向くかもしれない。どの写真に子供が写っているかを識別して、子供の写真を見ることもなく「いいね!」もコメントもしない人たちから見えなくするために、Facebookがスクラップブックのタグを利用できるのではないかと尋ねたところ、彼は「それは検討した」と答えた。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)