米国時間3月9日に、Facebookは新しくNancy Killefer(ナンシー・キルファー)氏とTracey T. Travis(トレーシー・T・トラビス)氏の2名を取締役会に迎えることを発表した。
キルファー氏は、オバマ政権時代に米国財務省で勤務していたため、Facebookに貴重な政府の知見をもたらすことが期待される。かつてクリントン政権の首席補佐官を務めていたErskine Bowles(アースキン・ボウルズ)氏が、2019年にFacebookを去ったために、同社の取締役会は深い政府経験がある人物の1人を失っていた。
財務省での勤務の傍ら、キルファー氏は30年以上にわたってグローバルコンサルティング会社のMcKinsey & Companyでさまざまなリーダーシップを発揮し、現在はCardinal Healthの取締役も務めている。また以前、Avonの取締役だったこともある。
「テクノロジーと社会に関する最大の議論の中心にある、Facebookの取締役会に参加できることを、大変うれしく思っています」とキルファー氏は投資家向けプレスリリースの中で述べている。「今後数年間は、次世代のためにインターネットを形成していくことになると思います。私はその中で、Facebookが世界の善のための責任を果たそうとする努力に貢献したいと考えています」
もう1人の新しい取締役候補であるトラビス氏は、現在上級副社長ならびにCFOを務めている化粧品会社Estée Lauderからの参加となる。キルファー氏が持ち込むのは公共部門での経験だが、Mark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏の言葉によればトラビス氏が持ち込むのは「強力な財務および企業リーダーシップのバックグラウンド」であり、Ralph Lauren、Limited Brands, Inc.、Pepsi、そしてGeneral Motorsにおける消費者および小売金融の豊富な経験が提供されることになる。プレスリリースの中でトラビス氏は、Facebookならびに「世界をより良く変える技術と革新の力」に対して楽観的であると述べている。
Facebookは2019年に3人のボードメンバーを失った。まずボウルズ氏とNetflixのCEOであるReed Hastings(リード・ヘイスティングス)氏が、ザッカーバーグ氏と公の場所で衝突したことが知られており、その後ビル&メリンダ・ゲイツ財団の元CEOだったSusan Desmond-Hellmann(スーザン・デズモンド=ヘルマン)博士も辞任した。Facebookは2020年2月にザッカーバーグ氏の親しい友人であるDropbox CEOのDrew Houston(ドリュー・ヒューストン)氏を取締役会に加えている。3月のメンバー追加は、残されていた空席を埋めるものとなる。
これでFacebookの取締役は、ザッカーバーグ氏、PayPalのPeggy Alford(ペギー・アルフォード)氏、Andreessen HorowitzのMarc L. Andreessen(マーク・L・アンドリーセン)氏、、General CatalystのKenneth I. Chenault(ケネス・I・シェノルト)氏、Dropboxのヒューストン氏、Founders FundのPeter Thiel(ピーター・ティール)氏、Cranamere GroupのJeff Zients(ジェフ・ジエンツ)氏、Facebook COOのSheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏、そして今回の新しい2名となった。キルファー氏とトラビス氏が加わったことで、ボードの男女バランスはこれまでで最も良くなり、4人の女性と6人の男性によって構成されることになっている。
近年Facebookは、ザッカーバーグ氏を会長職から解任せよという複数の株主からの外部提案に直面しているが、彼の取締役会はこれまで彼をしっかりと守り続けてきた。会社がことさらに波風を立てたがる人物を連れてきたということはないだろうが、最新の取締役会が落ち着くいていく中で、同社の新しい動きには注目していきたい。
画像クレジット: Alexander Koerner/Getty Images / Getty Images
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(翻訳:sako)