Facebook(フェイスブック)は米国時間10月30日、第3四半期の決算を発表した。今期の収入は215億ドル(約2兆2500億円)、収入は8億ドル(約837億円)一株当たり利益は2.71ドル(約283.62円)だった。
アナリストの予測は収入が198億2000万ドル(約2兆700万円)、1株当たり利益が1.91ドル(約199.89円)とずっと低いものだった。またフェイスブックは2020年9月の1日あたりアクティブユーザー数が18億2000万人と発表した。これは対前年同期比12%のアップだ。月間アクティブユーザー数は27億4000万人でこれも前年比12%アップしている。いずれも市場の予測を上回る数値(CNBC記事)だった 。
注目すべき点として、フェイスブックのユーザー数が今年、2020年に急増したことが挙げられる。対前年比で32%のアップとなった時期があった。これは22%の収入アップを上回るペースだった。同社の支出アップは28%でいつもどおり収入のアップを上回っている。
四半期決算の発表はフェイスブックの株価にはほとんど影響を与えなかった。本稿の執筆時点で株価は0.4%程度のアップに止まっている。
同社は2020年第4四半期や2021年の業績見通しについて具体的な数字を明らかにしなかったが、「2020年の第4四半期の広告収入は、第3四半期を上回るだろう」と述べている。また広告以外の収入についても新しいVRヘッドセットであるOculus Quest 2の販売が好調であるため貢献が期待できるとしている。
フェイスブックは2021年について「不確定な要素が極めて多い」ことを認めた。これはヨーロッパにおけるデータ保護や域外とのデータのやりとりに関する規制の強化(未訳記事)がフェイスブックに大きな問題を提起する可能性を認めたものだ。同社はこうした動きを「注意深く観察する」としている。
アナリストの2020年第4四半期の業績予測は、収入が242億5000万ドル(約2兆5400億円)、1株当たり利益が2.67ドル(約279.43円)だ。2021年通年に関しては収入が1000億ドル(約10兆4700億円)一株当たり利益が10.26ドル(約1073.76円)などとと予測している。
広告業界は、Snapの広告収入が大きくアップしたことでフェイスブックについてもこうした数字を予期していた。フェイスブックは「パンデミックにより商品購入が対面方式から通販に大きくシフトしたため、企業のオンラインへの広告支出が増加した」と分析している。しかしTwitter(ツイッター)の広告収入は対前年比で8%増加しただけだった。広告収入の動きは、企業によってばらつきが大きいことが改めて確認された。
ともあれフェイスブックにとってはパンデミックが思わぬ追い風となった。全体として同社の2020年の業績は満足すべきものだったようだ。
しかしフェイスブックのユーザー数は、米国とカナダで第2四半期の1億9800万人から今四半期の1億9600人へとわずかながら減少している(Engadget記事)。これは2020年に入って新型コロナウイルス感染症によるロックダウンで人々が外出できなくなり、ユーザー数が異常な伸びを見せた揺り返しだ。むしろ正常化といった方がいいかもしれない。
フェイスブック自身、この傾向が第3四半期および以降にも続くことを予想し「2020年の第4四半期にもこのトレンドは継続し、米国とカナダにおけるユーザー数は第3四半期と比較してDAU、MAUともにフラットないしわずかな減少となるだろう」と述べている。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook)