Facebookはモバイルゲームで敗北した。だから自前のバーチャルリアリティーを持つためにOculusを買った。ゲームだけではない

Facebookは、ウェブ上のゲーミング・キャンバスで莫大な成功を収めたが、モバイルゲームの収益に関しては、プラットフォームオーナーのApple(iOS)とGoogle(Android)に締め出されている。次のビッグなゲーミングプラットフォームを逃がすまいと、Facebookは今日、バーチャルリアリティー(VR)ヘッドセット、RiftのメーカーであるOculus VRを現金および株式20億ドルで買収すると発表した。そして同社は、長期的にVRをゲームに留まらずリアルな人間同志の対面のシミュレーションに使うことを考えている。

もしAppleかGoogleにOculusを買われていれば、モバイルゲーミングの大失敗をまたまた繰り返すところだった。

ウェブでは、FacebookのキャンバスはZyngaをはじめとする大物デベロッパーを大量に引き込んだ。同社の個人データと成長の機会が魅力だったからだ。見返りとして、Facebookはデベロッパーがアプリ内購入で得た収益の30%を税金として徴収することができた。

しかしモバイルでは、AppleとGoogleがアプリストアを支配してる。30%の税金を得るのは彼らだった。Facebookは、HTML 5ゲーミング・プラットフォームの提供を試みたが失敗に終った。ウェブゲームがネイティブゲームに比べて大きく見劣りしたためだ。結局Facebookは、「ソーシャルレイヤー」へと追いやられ、ログイン、シェア、および広告を、ゲームデベロッパーに提供している。同社はParseを買収して、〈サービスとしてのモバイルバックエンド〉も選択肢に加えた。しかし、支配するのはやはりiOSとAndroidだった。

Oculusを買収したことによって、立場は逆転するかもしれない。バーチャルリアリティー機器向けに開発をしたいテベロッパーは、Facebookのドアを叩かなくてはならず、今度はAppleとGoogleが置いてきぼりを食うかもしれない。

アップデート:Facebookが具体的にどうOculusを収益化するかについて、CEO Mark Zuckerbergは投資家向けの会見でこう言った。「われわれがハードウェア会社でないことは明らかだ。ハードウェアで利益を上げるつもりは長期的にはない・・・しかし、もしわれわれがこれを、人々がコミュニケーションをとり、バーチャルズッズを買うネットワークにして、いずれ広告を出すことも考えられれば・・・それがビジネスの基盤になるだろう」]

当面Facebookは、Oculusの運営を独立にしてゲームに集中させる。それによって、この買収がFacebookのミッションである世界をよりオープンでつながったものにすることと、無関係に感じる人々もいるだろう。おそらくそれが、Facebookの株価を下げている理由だ。しかしZuckerbergは、将来的にVRがもっとはるかに広く使われると信じている。

「ゲームの後、われわれはOculusを様々な体験のプラットフォームにするつもりだ。試合のコートサイドで楽しむ人々や、世界中の教室で生徒と先生が勉強したり、医者と対面して問診を受けているところを想像してほしい ― 自宅でゴーグルを着けるだけで。これこそが新しいコミュニケーション・プラットフォームだ。心から楽しむことによって、実生活で無限の空間と体験を人々と共有できる。友達とオンラインで、ある瞬間を共有するだけでなく、体験や冒険そのものを共有するのだ」

アップデート:Zuckerbergは投資家向け会見でこう語った、「Oculusは、史上最もソーシャルなプラットフォームになる可能性を持っている」。さらに彼は、Facebookは人々がバーチャルリアリティーを喜んで使うようになり、人々の生活の重要な部分として次の重要なコンピューティング・プラットフォームになることを期待していると言った。]

いずれの発言も、Oculusが、人々をできるだけ生き生きとつなげるというFacebook長期戦略の中心となり得ることを表している。しばしば同サービスに向けられる批判に、Facebookは人々をつなげるのではなく実際には狐立させている、というものがある。ニュースフィードをスクロールしていくことは、友達と顔を合わせて話したり笑ったりするのと同じではない。しかしOculusによって、いつかFacebookは、あなたに愛する人が隣にいるように感じさせてくれるかもしれない ― たとえどんなに離れていても。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


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TechCrunch Japan

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