数学を勉強すること。もっと数学。さらに数学―というのが人工知能に興味ある学生に対するに対するFacebookの人工知能ラボの責任者、 Yann LeCunと応用機械学習グループの責任者、Joaquin Quiñonero Candelaのアドバイスだ。
テクノロジー企業は必要な能力としてよくSTEMという頭文字語を使う。 科学、テクノロジー、工学、数学(science, technology, engineering, math)の略だ。今回公開された人工知能と機械学習に関するチュートリアル・ビデオは学生に対するアドバイスとしても大いに役立つだろう。Facebookによれば、学生がやるべきことは野菜を残さず食べる他に数学 I、 II、 III、線形代数、統計をできるだけ速い時期にマスターすることだという。
このリストの中では特に統計学が目立つ。私の高校時代にはこの教科は一流大学を目指す生徒にはAP〔進学に有利となる高度授業〕の点数計算で有利でないとして無視されることが多かった。
微分方程式が機械学習の原動力となるエンジンなら統計は器械の歯車そのものだ。記事末にFacebookのAIのビデオ・チュートリアル(AI explainer)をエンベッドした。
本当のことを言えば、 LeCunと Candelaのビデオの対象は大学生以上だろう。しかし「どの科目がどのように重要なのか」は教育のあらゆるレベルで動機づけに欠かせない。それに加えて、われわれの日常生活でも統計の知識はこの上なく役立つ。Facebookの2人の科学者が「数学。もっと数学」と述べているとおり、数学は科学、工学一般ばかりでなく、コンピューター科学、経済学、神経科学など今日非常に重要になっている分野でも必須だ。広告の効果を強化するためにニューロン・ネットワークと認知科学を機械学習に応用するなどということは数学なしに実現できるはずがない。
統計学は知識と学習の本質を理解するという哲学上の重要課題の入り口でもある。最近Facebookのニュースフィードのバイアスの有無について議論されているが、忘れてならなないのは、たとえ機械学習だろうと、すべてのアプリの背後にはそれを作った人間がいるという点だ。われわれは人工知能の進歩によるコンピューターのブラックボックス化という問題に対する効果的な対策をまだ見つけていないが、それを見つけようとしているのはまさしく人間だ。またデータをやみくもにいじる前に、学習の本質がどういうものであるかを理解しておくことが重要になる。
最後の方でFacebookは機械学習の分野でどのような職に就けるか簡単に説明している。といっても説明のほとんどは自明だ。機械学習を実際にマスターしようとするならまず適切な指導教授を見つける必要がある。PhD課程の院生は教授より時間に余裕があるからいろいろ指導してもらえるかもしれない。企業でインターンとして働いてみるのは現実世界でAI(がどのように使われているかを知るのによい方法だ。
実のところ、実際にPhD課程に応募する場合、大学のランキングなどより指導教授の方がはるかに重要になるとFacebookの2人は注意している。一度博士課程に入学を許されたら、未解決の問題を探し、それを解決するコードを書きオープンソースで発表するのが大切だという。
〔日本版〕以下のビデオの音声は英語だが、アニメーションや図解だけでも理解の助けになる。また日本語で説明する際のヒントにもなりそうだ。
AI入門
機械学習とは
勾配降下法(Gradient Descent)
ディープラーニング
誤差逆伝播法(Back Propagation)
畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network)
Featured Image: Getty Images/Yuri Khristich/Hemera (modified by TechCrunch)
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)