ついにFacebookがイヤだねボタンを作った。ただしみんなの思っていた場所にではない。
みなさんはマシンガンのような高速チャットの中で、どうやって個々のメッセージに返信しているだろうか? Facebookは、友達のメッセージにもニュースフィードの投稿と同じように絵文字を付けて欲しいと思っている。
TechCrunch読者のHoan Doのタレコミによると、一部のユーザーのFacebook Messengerにはリアクション・オプションが表示されている。友達が送ったメッセージに指を置くと吹き出しが表れて絵文字を選べる。小さなサムアップ(↑)のいいね!とサムダウン(↓)のイヤだねの他、目がハートや、うけるね、すごいね、悲しいね、ひどいねがある。スレッドに参加している全員が各メッセージの下のリアクション数を見ることができる。タップすれば誰がどのリアクションをしたかがわかる全リストも表示される。
Facebookはこの新機能について「われわれはMessengerをもっと楽しくしてずっと使い続けてもらうためにテストを続けている。これはメッセージに対する思いをいちばんよく表している絵文字を付けられるようにするちょっとしたテストだ」と本誌に伝えた。つまり今は全員が使えるわけではないが、もし評判がよければ全ユーザーにMessengerリアクションが公開されるかもしれない。
ちなみに、Messengerのリアクションがニュースフィードとは少々異なっていることに注目されたい。再三要望されては常に却下されてきた「イヤだね」ボタンが加わっている。これはFacebookでもっとも望まれてきた機能として知られているが、会社はニュースフィードにネガティブな感情が入りすぎることを嫌い導入しなかった。代わりに様々なリアクションによってユーザーはすばやく気持ちを表現できるようになり、イヤだねはコメント欄に任された。
Facebookはこれを、むしろ「ノー」ボタンだと考えていると本誌に告げた。Messengerをスケジュール調整等に使う人は多く、すぐに反応を見たり決を取るためにリアクションが使えるかどうかを実験しているという。Yes/Noボタンがあるのはそのためだが、当然のことながらイヤだねボタンにも見えてしまう。
Messengerのリアクションは、最近iMessegeに追加されたTapback絵文字にも似ている。これはSlackが最初に導入した方式で、特に返信する間もなく次々とメッセージが送られてくる高速グループチャットで有効であることが証明されている。
例えばこんなスレッドを想像してみてほしい。
ボス – みんなランチはピザでいいかな?
同僚 1 – 移動屋台の方がいいという人はいる?
同僚 2 – 一緒に行く人がいれば寿司がいいんだけど。
あなた – はい。
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これではどのメッセージに反応したのか全くわからないが、「はい、屋台の方がいいです」と言うのも面倒だ。Slackは最終的にスレッド機能を導入する前、絵文字リアクションでこの問題に対応しようとした。Messengerのように気軽なソーシャルチャット・アプリに会話スレッドは必要ないかもしれないが、ニュースフィードのリアクションを転用するのは十分に理にかなったやり方だ。
Facebookがリアクションを導入したのはちょうど1年前で、それ以来3000億回以上使われ確実に人気を博している。もっともよく使われているのが「超いいね」で、リアクションの半分以上を占めている。メキシコ、チリ、スリナムはユーザー当たりのリアクション数が特に多い国々だ。そして今Facebookは、どの投稿が面白いか、どれをニュースフィードで目立たせるかの判定に、通常のいいね!よりもリアクションにやや重きを置くようになっている。
Slackの絵文字リアクションが成功していることを踏まえると、Facebookの企業向けコラボレーション・スイートであるWorkplaceのメッセージングシステム、Work Chatの強力な付加機能になるだろう。またこれはチャットボットとの会話にも有効だ。Facebookは今週、チャットボットにどう返信していいかわからない人のために常駐メニューを追加している。
FacebookはMessengerを便利にすればするほど、SnapchatやLineやGoogleの雑多なメッセージングアプリとの競争で優位に立てる。簡単に返信する方法を提供することで、たとえソーシャルメディアでのシェア習慣が他のアプリに流れたとしても、ユーザーをFacebookエコシステムに囲っておくことができる。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook)