FiftyThree製のPencilがiOS 8向けアップデートで”面圧”に対応、自由な描画が可能に

Pencilは、アプリのメーカーからハードウェアの製造に転向したFiftyThree作のiPad用スタイラスだが、このほどアップデートし、Paperアプリで描く線の性質を、iPadの面に対するペン先の角度を変えることによって、変えられるようにした。ただしこのアップデートはiOS 8が対象で、OSのこのバージョンからタッチのサイズを変えられるようになったことを利用する。iOS 8ではアプリのデベロッパが、ここはピンポイントのタッチ、ここはかなり広い範囲のタッチに対応、というようにタッチの広がりを変えられるのだ。

そもそもPencilは、最初からそれを前提として作られたような製品だ(もちろん守秘性の強いAppleが未来のiOSについてFiftyThreeにだけ秘密を教えたはずはないが)。Pencilのペン先は一種のコンデンサになっていて、それが人間ユーザのタッチ圧を感取する。そのほかのスタイラスはどれも、ただ一点で人間ユーザの圧力を感知するだけだが、Pencilのペン先は点ではなく幅の広い矩形領域を感知する。

そのためiPad上でPencilを使うと、木炭や5B以上の鉛筆で画用紙の上にスケッチを描くときのように、線の太さを変えられる。一回のストロークで、細い線から太い線へと徐々に太くする描線もできる。また消しゴムなら、やはり消す箇所の太さをコントロールできる。それは、描くとき線の太さを変えるのと、同じ仕組みだ。

FiftyThreeによると、Pencilのペン先はもっと多様なクリエイティブな描き方を念頭においてデザインされているのだが、今回はたまたまその一つが、iOS 8の新機能のおかげで可能になったのだ。そのほかのスタイラスメーカーも、いずれこの機に乗じた製品を出してくるかもしれないが、今のところはFiftyThreeだけで、これによってデジタルアーチストたちのiPadの使い方が変わるだろう。Pencilの描画アプリにはすでに、人間の手のひらを拒否する機能や、複数の線のブレンド機能などがあり、これらもクリエイティブな活用ができる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))