MozillaがYahooからGoogleに切り換えると発表した数週間後、Firefoxのデフォルト検索エンジンは激しい法廷闘争の対象になった。12月1日、Yahooの新しい親会社のOathは、Mozillaが契約に違反したとしてカリフォルニア州裁判所に訴えた。そして今度はMozillaが反対訴訟を起こし、検索エンジンの変更は二社間の契約に沿っていると主張した。
大したことではないと思うかもしれないが、これは数億ドルの話だ。2014年、Yahooは自社の検索エンジンを、Mozillaの苦戦中の人気ブラウザーのデフォルトにするために、年間3.75億ドル支払う契約を結んだ。
契約の詳細が明らかにされたのはつい昨年のことで、CEO Marissa Mayerが会社をVerizonに売却する準備のために詳細な調査が行われたときだった。いくつものトラブルありながらもVerizonの契約は完了し、Oathが誕生した(Yahoo/AOLが合体し、その傘下にTechCrunchがいる)。それに伴いVerizonは年間3.75億ドルの支払いを2019年まで引き継いだ。
Mozillaにとって悪くない取引だ。しかも、Yahoo(あるいはYahooの親会社)はたとえMozillaがYahooをデフォルト検索エンジンから外しても支払い続ける義務があるというならなおさらだ。契約上Mozillaは、何らかの理由でYahooが不適当だと判断したときには契約を終了できる権利を与えられている。
数週間前まさにそれが起きた。Mozillaは新ブラウザーQuantumを公開したタイミングで検索エンジンをGoogleに戻した。Firefoxの最新バージョンは、これまでChromeに市場を奪われ続けてきた同社が基本に立ち返ったと多くの人たちから暖かく迎えられた。当然、Oath/Yahooは黙っていなかった。
昨日の反訴でMozillaは、Verizon買収後の契約をじっくりと検討した結果、Yahooをデフォルト検索エンジンにした選択を撤回したと説明した。
「われわれはYahooの買収直後から数カ月間をかけて、Yahooおよびその買収者から成功の保証を得られるかどうか検討を重ねてきた」と同社はブログで説明した。「デフォルト検索エンジンとしてYahooを使い続けることは、上記のあらゆる点に悪影響を与えることが明らかになったため、契約を終了する権利を行使して別の提供者と契約した」。
Oathは、Mozillaの公式回答に対する公式回答を発表していない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )