FiskerとフォックスコンのEVパートナーシップは「予想よりも速く進んでいる」とFiskerのCEOが表明

米国の電気自動車メーカーであるFisker(フィスカー)は、2021年の運営費用が4億9000万ドル(約538億1000万円)から5億3000万ドル(約582億2000万円)に達すると予想しているが、これは、Ocean(オーシャン)SUVのプロトタイプの研究開発費、先端技術のテストと検証、雇用、Foxconn(フォックスコン)とのパートナーシップの「加速」によって当初の見通しよりもやや増えている。

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米国時間8月5日の市場閉場後に第2四半期の業績報告を行った同社は、通年の主要な非GAAP運営費用と設備投資の予想を、当初の4億5000万ドル(約494億2000万円)から5億1000万ドル(約560億1000万円)という数字から引き上げた。業績報告の中で挙げられていたのは、2021年のプロトタイプ活動への研究開発費だが、その主要部分は先進運転支援システムのテストと検証、パワートレイン、およびユーザーインターフェイスによって構成されている。同社はまた、仮想検証ソフトウェアツールや、最近厳しくなったEuro NCAPおよびIIHSの安全規制に対応するための、人材採用、仮想および物理テストなどの社内コストへの支出が増加していることも指摘している。

CFOでCOOの共同創業者Geeta Gupta Fisker(ギータ・グプタ・フィスカー)氏は、業績報告会の中で、サードパーティだけに頼るのではなく、テストと検証を行うための内部体制を整える戦略的決定を下したことを付け加えた。

共同創業者でCEOのHenrik Fisker(ヘンリック・フィスカー)氏は米国時間8月5日のインタビューで「予想よりも速く進んでいる」Foxconnとのパートナーシップも支出の増加に寄与していると語った。

そのインタビューの中で、ヘンリック・フィスカー氏は「私たちの方向性は本当に一致しています」と語っている。「両社がこのプログラムに投資しているという意味で、これは非常にユニークなビジネス取引であるということができます。私たちが単にFoxconnを雇って車を作るわけではありません」。

Fiskerは現在、2つの車両プログラムを実施中だ。その最初の電気自動車であるFisker Ocean SUVは、ヨーロッパの自動車委託製造業者Magna Steyr(マグナ・シュタイヤー )によって組み立てられる。生産開始は2022年11月の予定で今の所順調に進んでいる、と同社は8月5日の発表で繰り返した。納車は2022年の終わりに欧米で開始され、2023年には月産5000台以上の生産能力を達成する計画だ。中国の顧客への納車も2023年には開始される予定である。

この5月にFiskerは、iPhoneを組み立てている台湾企業であるFoxconnと、新しい電気自動車を共同開発および製造する契約を締結した。ヘンリック・フィスカー氏によれば、両社は「極めて速やかに」設計を進めており、現在、トランクを開く新しい方法の特許やその他の技術革新に取り組むなど、エンジニアリングと技術の詳細に取り組んでいる。

「私たちは急激に加速しています、おそらく2021年の終わりまでにはいくつかの初期のプロトタイプが手に入ることでしょう」と彼はいう。

両社はまた、この新しいEVのデザインが都会のライフスタイル向けになることも決定した。

「万人向けの車を作ることはできません」と彼はいう。「農民向けであり、かつ都会のアパートに住む人のためでもある車を作ることはできません。これらは2つの異なる種類の車なのです。ということで、今回のEVには都会的なライフスタイルを選択しました」。

このプロジェクトPEAR(Personal Electric Automotive Revolutionの略)で生産される車両は、Fiskerのブランド名の下で北米、ヨーロッパ、中国、インドで販売される。Fiskerの8月5日の発表によれば、プリプロダクションは2023年末までに米国で開始され、翌年には増産される予定だということだ。

ヘンリック・フィスカー氏は、米国における製造拠点を明らかにしなかった。彼は最近ウィスコンシン州にあるFoxconnの製造施設を訪れ、この地域のサプライチェーンと同様に「印象的な」施設であると発言している。そして最終決定はFoxconnのものであるとFiskerは述べている。しかしFiskerは、自動車メーカーが顧客に直接販売できる州で電気自動車を生産したいと考えている。ウィスコンシン州では現在この行為は禁止されている。

「それは、私たちが店舗に出ていって電気自動車を販売するために変更しなければならない主要な事の1つになるでしょう」と彼は述べた。

業績報告

同社の第2四半期業績報告の概要は以下の通りだ。2つの重要な要素を心にとめておいて欲しい。Fiskerは2020年のこの時点では上場されていなかった。そのため前年との比較は利用することができない。この会社は基本的に収益開始前だが、グッズ販売から2万7000ドル(約296万5000円)を得ている。

Fiskerの報告によれば、前四半期から22%増加し、2万7000ドル(約296万5000円)の収益が生み出されたとされている。またFiskerは、前四半期の1億7680万ドル(約194億1000万円)の純損失と比較して、今四半期の純損失は4620万ドル(約50億7000万円)、つまり1株あたり0.16ドル(約17.6円)の純損失を報告している。第1四半期のこの大きな純損失だが、SECによる現金以外の項目を処理する方法の変更によって、第1四半期に1億3800万ドル(約151億4400万円)のワラント保証が要求されたことに起因する。公開ワラントは現在廃止されており、同社は将来の収益にこれらの影響を受けることはもうないと述べている。

第1四半期の営業損失は3300万ドル(約36億2000万円)だったが、第2四半期の営業損失は5310万ドル(約58億3000万円)となった。重要なのは、同社が「アセットライト」アプローチと呼んでいる方法を使用して現金を保持していることだ。つまり、工場を建設するのではなく、パートナーに依存するということを意味する。6月30日に終了した四半期の現金および現金同等物は9億6200万ドル(約1056億1000万円)で、第1四半期の9億8510万ドル(約1081億3000万円)をわずかに下回った。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:FiskerFoxconn電気自動車決算発表

画像クレジット:Fisker

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(文: Kirsten Korosec、翻訳:sako)

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TechCrunch Japan

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