Galaxy Note20 Ultra 5GはApple Pencil&iPadユーザーにこそぜひ1度試してほしい

auはスタイラスペンを内蔵するサムスン製6.9型Androidスマホ「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」(Note20 Ultra)を10月15日に発売した。さらにサムスンは、折り畳みディスプレイを採用した「Galaxy Z Fold2 5G SCG05」、「Galaxy Z Flip 5G SCG04」の2モデルも11月4日にリリース済みだ。

スタイルの異なる複数のフラッグシップ級端末を市場に投入しており、スマホ世界シェア1位のサムスンならではの布陣といえるだろう。

今回、Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06を個人的に購入したので、その実機レビューをお届けしよう。

au「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」税込15万9830円

au「Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06」税込15万9830円

処理性能はトップクラス、カメラは「Galaxy S20 Ultra」のほうが上

Note20 UltraはOSに「Android 10」、SoCに「Qualcomm Snapdragon 865 Plus」を採用。メモリー(RAM)は12GB、ストレージ(ROM)は256GBを搭載し、最大1TBのmicroSDXCメモリーカードを装着可能だ。

ディスプレイは「ダイナミックAMOLED 2X Infinity-O Display」と名づけられており、解像度はQuad HD+(3088×1440ドット)、ピーク輝度は1500cd/m2、色域はDCI-P3カバー率100%、リフレッシュレートは120Hzを実現している。ゲーミングスマホ顔負けだ。

ディスプレイは最大2mの高さからの落下に耐える新ゴリラガラス「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされている

ディスプレイは最大2mの高さからの落下に耐える新ゴリラガラス「Corning Gorilla Glass Victus」でカバーされている

背面(アウト)カメラは超広角(1200万画素、F2.2、1.4μm、120度)、広角(1億800万画素、F1.8、0.8μm、79度、OIS)、望遠(1200万画素、F3.0、1.0μm、20度)。また前面(イン)カメラは「1000万画素、F2.2、1.22μm」という構成。「Galaxy S20 Ultra」とカメラの構成が似ているが、Galaxy S20 Ultraは望遠が4800万画素、インが4000万画素で、アウトに深度測位カメラが装備されている。同じ「Ultra」なのだから、カメラスペックは同等であってほしかった。

通信機能は5G(Sub6/ミリ波)/4G LTE/WiMAX 2+、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0をサポート。ちなみに、Galaxy Z Fold2 5G SCG05とGalaxy Z Flip 5G SCG04はミリ波には対応していない。

本体サイズは約165×77×8.1~10.8mm、重量は約208g。4500mAhのバッテリーを内蔵しており、連続通話時間は約1790分、連続待受時間は約430時間。防水IPX5/IPX8および防塵IP6Xで、最大水深1.5mで約30分間端末を保護するとうたわれている。

「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」はおサイフケータイ非対応だが、Note20 Ultraはサポート。またワイヤレス充電に対応し、ほかのデバイスを充電することも可能だ

「Galaxy S20 Ultra 5G SCG03」はおサイフケータイ非対応だが、Note20 Ultraはサポート。またワイヤレス充電に対応し、ほかのデバイスを充電することも可能だ

本体上面にはSIMカード/microSDメモリーカードトレイ、本体下面にはUSB Type-C端子とSペン用のスロットがある

本体上面にはSIMカード/microSDメモリーカードトレイ、本体下面にはUSB Type-C端子とSペン用のスロットがある

本体右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されている

本体右側面にはボリュームボタンと電源ボタンが配置されている

  • プロセッサー(SoC):Qualcomm Snapdragon 865 Plus 5G Mobile Platform
  • ディスプレイ:6.9インチ Dynamic AMOLED 2X Infinity-O(有機EL)、DCI-P3カバー率100%、最大1500nit、リフレッシュレート120Hz可変、Corning Gorilla Glass Victus
  • 最大解像度:Quad HD+(3088×1440ドット)
  • 背面カメラ(アウトカメラ):超広角:約1200万画素(F2.2)、広角:約1億800万画素(F1.8、OIS)、望遠:約1200万画素(F3.0)
  • 前面カメラ(インカメラ):1000万画素(F2.2)
  • 通信機能:5G(sub6/mmWave)、4G LTE、WiMAX2+、Wi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0
  • サイズ/重量:高さ165×幅77×厚さ8.1(最厚部10.8)mm、重量208g
  • 連続通話時間:約1790分
  • 連続待受時間:約430時間
  • 防水・防塵:防水IPX5/IPX8、防塵IP6X
  • OS:Android 10

SペンはタブレットPCや2in1 PCを含めても最高レベルの書き味

Note20 Ultra最大の売りであるSペンの使い心地は、タブレットPCや2in1 PCなどを含めても最高レベルだ。9ミリ秒のレイテンシー(遅延)、4096段階の筆圧検知などのスペックだけでなく、ペン先の摩擦感が絶妙。繊細な描線も操れるペン先に仕上げられている。

書き味は軟らかいが滑りがいい。不満はペン先を交換できないことぐらいだが、「Sペン SC03P」はau Online Shopや家電量販店で税込み2970円で購入可能だ

書き味は軟らかいが滑りがいい。不満はペン先を交換できないことぐらいだが、「Sペン SC03P」はau Online Shopや家電量販店で税込み2970円で購入可能だ

前モデルと比較したわけではないものの、手書きメモのテキストデータ化の精度は非常に高い。筆者はかなりの悪筆だが、それでも正確に認識してくれた。手書きメモは手軽な反面、あとでデータ化するのが面倒。Note20 Ultraなら、もうちょっと崩して書いても手直しは最小限で済みそうだ。

このようにかなりはしょった文字でも正確に認識してくれる

このようにかなりはしょった文字でも正確に認識してくれる

現時点のAndroidスマホの中でトップクラスの処理性能

Note20 Ultraは、Androidスマホ用としては最新のSoC「Qualcomm Snapdragon 865 Plus」を搭載しており、定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」を記録した。

記事執筆時点のAnTuTu Benchmarkのランキングでは「ROG Phone 3」が「642671」でトップ。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06は4位となった。とはいえ、現時点のAndroidスマホの中でトップクラスの処理性能を備えていることは間違いない。

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」。CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3284」。3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme - OpenGL ES 3.1のスコアは「7595」

定番ベンチマーク「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは「607562」。CPU/GPUベンチマーク「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは「3284」。3Dベンチマーク「3DMark」のSling Shot Extreme – OpenGL ES 3.1のスコアは「7595」

ただ、これだけの処理性能を備え、120Hz対応ディスプレイを搭載しているのに、「PUBG MOBILE」で「90fps」の選択肢が表示されなかった。どうやらアプリ側がまだ対応していないようだ。メジャーなゲームで端末本来の性能が発揮できるように、サムスン側から各ゲームメーカーに働きかけてほしいところだ。

デフォルトのリフレッシュレートは60Hzだが、「設定→ディスプレイ→動きの滑らかさ」で「最適化(120Hz)」を選択できる

デフォルトのリフレッシュレートは60Hzだが、「設定→ディスプレイ→動きの滑らかさ」で「最適化(120Hz)」を選択できる

PUBG MOBILEでクオリティを「スムーズ」に下げても、フレーム設定に「90fps」の項目が表示されなかった(10月29日時点)

PUBG MOBILEでクオリティを「スムーズ」に下げても、フレーム設定に「90fps」の項目が表示されなかった(10月29日時点)

5Gの通信速度についてはさいたま新都心で計測を実施してみたが、「さいたまスーパーアリーナ」前の広場で下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsを記録した。通信速度は大満足だが、現時点ではあまりにもエリアが限定的すぎる。急ピッチでエリアが拡大されることを強く望みたい。

早朝に計測したら下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsという通信速度を記録したが、時間帯によってどのように変化するのか、別の端末のレビューの際に試してみたいと思う

早朝に計測したら下り744.23Mbps、上り94.13Mbpsという通信速度を記録したが、時間帯によってどのように変化するのか、別の端末のレビューの際に試してみたいと思う

一部スペックが落とされていてもカメラ画質はハイレベル

Note20 Ultraは、Galaxy S20 Ultraよりカメラスペックは一部低いものの、実際に使ってみるとほとんど気にならなかった。50倍デジタルズームはスペック競争のための倍率で、光学5倍の望遠カメラを搭載しているからこそ、10倍デジタルズームで実用レベルの画質が実現されている。

ほかのハイエンドスマホと比べると色を誇張しすぎているきらいはあるものの、オートで撮って映える画になるのだから歓迎する方のほうが多いはずだ。

超広角カメラで撮影

超広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

望遠カメラ(光学5倍)で撮影

望遠カメラ(光学5倍)で撮影

望遠カメラ(10倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(10倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(50倍デジタルズーム)で撮影

望遠カメラ(50倍デジタルズーム)で撮影

広角カメラで撮影

広角カメラで撮影

Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06というより、Galaxyシリーズのハイエンドモデル共通の長所として特筆しておきたいのが夜景モードの画質。白飛びを強力に抑え、明るく点灯している看板や外灯も綺麗に撮影できる。夜景モードは実際の光景を改変していると嫌う方もいるかもしれないが、忠実さはプロモードで追求できる。各種モードは手軽さにこそ価値があると筆者は考える。

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

広角カメラ(ナイトモード)で撮影

Apple PencilとiPadが手放せなくなっている方にこそ、ぜひ試してほしい端末

今回の記事はハードウェア面を中心にレビューしたが、Note20 Ultra最大のアドバンテージはソフトウェア面。サムスンは、日本では2012年4月に発売した初代「GALAXY Note SC-05D」からペン内蔵スマホのノウハウを蓄積しており、ペンを抜けばすぐ一番新しいページにメモできる「画面オフメモ」など、紙のメモ帳を超える使い勝手を実現していると思う。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06は、Apple PencilとiPadの組み合わせが手放せなくなっている方にこそ、ぜひ1度試してほしいAndroidスマホだ。Galaxy Note20 Ultra 5G SCG06

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Samsung / サムスンSamsung Galaxyガジェットスマートフォンレビュー

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TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。