General Motors(ゼネラルモーターズ、GM)は米国産のリチウムに投資する。同社は米国時間7月2日、ロサンゼルス近くのソルトン湖地熱地帯からリチウムを採取するオーストラリア企業のプロジェクトの初の投資家になったと明らかにした。リチウムは電気自動車(EV)のバッテリーの重要な要素だ。GMはControlled Thermal Resources(CTR)の「Hell’s Kitchen(ヘルズ・キッチン)」リチウム採取プロジェクトで生産されるリチウムの優先権を獲得する。
ヘルズ・キッチンプロジェクトでは2024年からリチウムを生産する見込みだ。生産されたものはGMのUltiumバッテリーセルに使用される。Ultiumバッテリーセルは現在行われている認証とテストを経てLG Energy Solutionとの合弁会社が生産する。GMの電動化戦略と電池エンジニアリング担当ゼネラルディレクターであるTim Grewe(ティム・グレーヴェ)氏は、どれくらいの量のリチウムをGMが獲得することになるのか具体的には示さなかったが「(GMの)北米のリチウムのかなりの量になる」ことを予想している、と述べた。
GMや他の自動車メーカーが、電動化の目標を達成するにはかなりのリチウムを必要とする。GMは2035年までに内燃エンジンから完全移行することを目指している。しかしそうした大規模な移行はかなりの競争に直面することを意味する。それは顧客の獲得だけでなく、バッテリーのような重要なパーツを構成する鉱物のソースについてもそうだ。
一般的に、リチウムは岩石を砕いて採掘するか、塩水から鉱物を抽出して生産される。どちらの手法も環境への負荷のために非難されている。CTRのプロジェクトが抜きん出ているのは、リチウムを生産するのにソルトン湖地熱地帯で生み出される再生可能な地熱エネルギーを使うという点だ。ソルトン湖地熱地帯は、すでに地熱発電所11カ所が稼働しているインペリアル・バレーの広い範囲を占める。
再生可能エネルギーによる給電に加え、プロジェクトは使用した塩水を地下に戻し、採掘の廃棄物など生産にかかる尾鉱を残さないクローズドループ直接抽出工程をとる、とCTRは話す。
世界のリチウムの大半はわずかな国で生産されていて、主にチリ、オーストラリア、中国、アルゼンチンだ。米国にはリチウム生産サイトが1カ所だけある。ネバダ州にある化学製造大手Albemarleが所有する塩水採取サイトだ。しかし近年、鉱物の国内生産を促進する動きが増している。これは主に2つのトレンドによるものだ。1つは、部分的にはバッテリーを搭載する電気自動車への移行により急増が見込まれる、鉱物に対する需要予想。もう1つは先端技術において米国の競争力を保ち続けるという超党派の意向だ。
カリフォルニア州エネルギー委員会によると、現在の世界のリチウム需要の3分の1をカリフォルニア州のリチウム鉱床で賄える可能性がある。CTRのプロジェクトは、ソルトン湖の広大な塩水田からリチウムを抽出することを目指している多くの取り組みの1つだ。
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カテゴリー:モビリティ
タグ:GM、リチウム、電気自動車、バッテリー
画像クレジット:General Motors
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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi)