GMがHummer EVをベースにした軍用車両を計画、しかし軍導入の保証なし

Hummer H1は軍用トラックをベースにしていたが、いまGM(ゼネラル・モーターズ)はその恩返しをする準備ができているようだ。GM Defenseの社長Steve duMont(スティーブ・デュモント)氏がCNBCに語ったところによると、同社は間もなく展開されるHummer EVをベースにした軍用車両のプロトタイプの製造を計画している。eLRV(電動軽装甲車)では、Hummerのフレーム、モーター、Ultiumバッテリーを米軍の要件に合わせて改造する。

プロトタイプは2022年中に完成する予定だ。しかし、米軍がこのeLRVを使用するという保証はない。陸軍はまだこのようなEVの可能性を模索しており、もしあればの話だが、GMは(ライバルメーカーとともに)正式な要求を待たなけれなならない。選択は2020年代半ばに行われる見込みだ。

軍用のEVは、少なくとも前線で活躍する車両には物流面での課題がある。まず、戦場で充電ステーションを見つけることはできず、電力網に依存しない輸送可能な充電システムが必要となる。デュモント氏は、GMが燃焼式の充電システムを提供できるかもしれないと述べた。また、気温がEVの航続距離に大きく影響することや、迅速な方向転換や修理のために重要な取り替え可能なバッテリーがまだ初期段階にあることも付け加えたい。

軍のEV導入にはメリットがあるかもしれない。燃焼式充電器の必要性がその利点を部分的に相殺するとしても、全体的な二酸化炭素排出量を改善できそうだ。EVは可動部品が少ないため、一般的にメンテナンスが少なくて済む。また、従来の車両では音が大きすぎるような偵察やステルス任務には、EVの静かな動作が非常に役立つはずだ。課題は、これらの利点を最大限に活用しながら、運用スピードを低下させるような欠点を最小限に抑えることだ。

編集部注:本稿の初出はEngadget。執筆者のJon FingasはEngadgetの寄稿者。

画像クレジット:Steve Fecht for GM Defense

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(文:Jon Fingas、翻訳:Nariko Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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