Googleは公式ブログで「すでに検索対象ページの半数をMFI(モバイル・ファースト・インデクシング)に切り替え済み」と発表した。Googleは数年前から検索の主力をデスクトップからモバイル優先へとシフトさせてきたが、ここでひとつの大きなマイルストーンを達成したといえる。
Googleがモバイル・ファーストのインデクシングに力を入れ始めたのは2016年だった。このとき同社はモバイル優先インデクシングの内容とその影響を説明し、「ウェブサイトのページのインデクシングを行う際、今後はモバイル版のコンテンツを対象としていく」と述べた。またページのデータ構造がモバイル利用に適切かどうかを考慮し、検索結果をスニペットとして表示することも付け加えている。
このシフトは理由ははっきりしている。Google検索の大半がデスクトップ・パソコンからではなくモバイル・デバイスから行われるようようになったからだ。もちろんGoogleの検索ランキングはデスクトップ時代に構築されたシステムで、当然ながらデスクトップ版のコンテンツをインデクシングしてきた。
これはサイトのデスクトップ向けのコンテンツとモバイル向けコンテンツが適切に同期されていない場合に問題を引き起こす。【略】2017年の12月にGoogleは「一部のサイトでモバイル・ファーストのテストを開始した」ことを発表した。それから1年半後、今年に入ってモバイル・ファースト・インデクシングを公式に採用した。このときGoogleは「モバイル向け・インデクシングのガイドラインをすでに採用し、モバイル・フレンドリーなページを構成しているサイトを優先して新しいポリシーでのインデクシングを行う。この場合、oogleの高速読み込み対応のAMPページよりも、サイト自身のモバイル向けページを優先する」と述べた。
サイトのGoogle検索がモバイル・ファーストに変更された場合、Search Consoleのメッセージで通知される。これに伴い、 Googlebotがモバイル版をクロールする頻度が増える。 サイト運営者はサーバー・ログのGooglebot Smartphoneからの接続要求の回数をチェックして確認できる。
GoogleはまたURL検査ツールを提供しているので、サイト・オーナーは直近のクロール、インデクシングがいつ行われたかチェックできる。
Googleはブログ記事で レスポンシブウェブデザインを採用していないサイトの場合、モバイル・ファースト・インデクシングに移行する上で2つの障害に遭遇することを指摘した。
デスクトップのデータは構造化されていてもモバイルサイトには使われていないサイトがある。Googleにとって構造化データが用いられていることは重要だ。システムはこれによってコンテンツの内容を理解し、要約を作成して検索結果に表示する。またレシピや映画のレビューの星、カルーセルなどのリッチリザルト表示や、ナレッジグラフの利用など各種の拡張機能も利用できるようになる。トップの青文字のリンク以外の検索結果表示にはなんらかのデータの構造化が必要ということだ。
Googleはまた「画像の説明(alt-text)がない場合、システムが画像の意味を把握するのが困難になる」と警告している。
モバイル・ファーストへの一大シフトの開始時点でGoogleは「これは表示ランクに直接影響を与えるものではないが、モバイル向けコンテンツを用意しておくことはモバイル検索におけるパフォーマンスを向上させる」と述べていた。実際、モバイル・フレンドリーは重要な要素だが、検索ランキングを決定する要素は他にも多数ある。
今のところGoogleは適切なモバイル対応を行っていないサイトをどのように処理するか明らかにしていない。しかし、将来ある時点で、非対応サイトの検索ランキングに悪影響が出るようになるのは避けられないだろう。
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