データセンターの中は暑くてうるさい——そしてサーバーをオーバーヒートから守ることは運用コストの大きな部分を占めている。業界の大物、Facebook、Microsoft、Googleらがさまざまな方法で冷却コストの節減を目指しているのも当然だ。Facebookは可能な限り外部の空気を冷やす。Microsoftは水中データセンターを実験中。そしてGoogleは、同社のAIモデルを使っていっそうの節約を目論んでいる。
数年前、Googleは傘下のDeepMindを通じて、データセンターに最適な冷却方法を運用者に提供するために、機械学習の利用を探ってきた。しかし、当時はまだシステムは推奨するだけで実施するかどうかは人間のオペレーターが判断していた。今後その人たちは、午後の昼寝時間を長くとれるようになる。モデルが十分に進歩した結果、AIを備えたシステムに冷却システムの制御を任せられるとチームが判断したからだ。もちろん、オペレーターは今も介入できるが、AIが中止の決定をくださない限り、システムは無人運転を続ける。
新しい冷却システムは現在複数のGoogleデータセンターに設置されている。5分毎に、システムがデータセンター内の数千個のセンサーから値を取得しその情報を元に最適な行動を選択する。もちろん、そこには様々な抑制と均衡が働いているので、Googleのデータセンターがこのために崩壊する可能性は低い。
多くの機械学習モデルと同じく、システムはデータを収集すればするほど賢くなる。現在、これまでのデータセンターのエネルギー利用と比べて平均30%のエネルギー節約を実現している。
ひとつ指摘しておくべきなのは、Googleはわずかな節約のためだけなく、これを自社の機械学習サービスの宣伝のひとつと考えていることだ。つまるところデータセンターでうまくいくなら、大きなオフィスビルディングにも適用できるはずだ。「長期的には、このテクノロジーをほかの環境にも適用し、より大規模な空調にも役立てる可能性があると考えている」、とDeepMindが今日の発表文に書いている。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )