中国では、Googleの中核をなす検索サービスが7年以上ブロックされているが、それでもインターネットの巨人は、人工知能と機械学習の人材をこの国から呼ぼうとしている。
AIはテクノロジーの未来の鍵になりつつある。 かつてGoogle ChinaのトップだったKaifu Leeも、AIは「あらゆる専門分野と業界」に多大な影響を与えると言い、その可能性に賭けてきた。
Googleは今も中国では控えめながら存在を続けており ―― 2015年のTechCrunch Chinaイベントで講演したEric Schmidtは、この国から撤退したことはないと語った ―― 北京事業所ではAIあるいは機械学習にかかわる職を少なくとも4名求人している、と公式ウェブサイトに書かれている。また、Bloombergによると、上海と広州でも求人広告を出している。
Googleの積極的な求人のきっかけとなったのは、中国企業の雇用戦略が米国、特にシリコンバレーへと拡大し、世界最高峰のエンジニアを集めにかかっていることだ。Alibaba、Tencent、Didi、Baiduなどの企業はカリフォルニア州に研究開発センターを持ち、需要に答えるべく人材仲介サービス ―― 元Google社員によるAIを利用した求人プラットフォームなど ―― も急成長した。
現在のテクノロジー人材の中心地はアメリカかもしれないが、中国も互角に渡り合おうとしている。今後も成長することは間違いなく、中国政府自身もAIを重視している。
この夏に発表された国家主導開発計画は、2030年までに中国が世界のAIリーダーになることを目標に掲げている。この野心的プログラムは、年間1500億ドル相当の国内産業を築くことを目的にしており、政府はこのビジョン実現のために教育と開発に多大な投資をする用意がある。
こうした熱意と中国のトップ企業でAIエンジニアが増え続けている事実を踏まえると、Googleが現地の人材に目を付けたのは正しい選択といえる。
今のところ中国で本格的な求人を始めたのはGoogleだけだ。やはりこの国でブロックされているFacebook、Twitterなどのサービスは中国に営業職を置いているが ―― 中国企業が海外の人々にリーチする手助けをしている ―― 地元での存在感は小さい。それでもFacebookは中国向けソーシャルアプリを実験したが、すぐに行動を起こす可能性は低い。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )