Alphabet最大の子会社、Googleは、映画スタジオに同社のクラウドを使って特殊効果のレンダリングをしてもらいたい。
昨年8月、GoogleはZyncを買収した。スタジオや個人アーティストがクラウド上で自分の作品をレンダリングできる、ビジュアルエフェクト・レンダリングサービスだ。今日(米国時間8/11)同社は、Zyncの1次ベータを来週8月20日にGoogle Cloud Platformで公開すると発表した。
Zyncのテクノロジーは、Star Trek: Into Darkness、Looper、Flightなどの映画で、特殊効果のレンダリングに使用されている。
Zyncを使いたいアーティストは、今すぐベータにサインアップすれば300ドル分のCloud Platformのクレジットをもらってサービスを試すことができる。これで約100時間の無料レンダリングが可能だ。
このサービスは、Maya、Nuke、VRay、Arnold、および(近々)PixarのRendermanなどの人気ツールと一緒に使える。
「RenderManがもうすぐGoogle Cloud PlatformのZyncと統合できることを非常に喜んでいる」と、Pixar Animation StudioのRenderManビジネスディレクター、Chris Fordが今日の発表で言った。「近々統合が提供された暁には、RenderManユーザーはGoogleの驚くべきクラウドレンダレングサービスを簡単に利用できるようになり、膨大なコンピューティングパワーを手軽に使って、アニメーションやVFXの締め切りを守れるようになる」
Zyncレンダーには、コスト計算機が内蔵されているので、ユーザーは自分のレンダリング費用がどれくらいになるかを概算できる。
Googleによると、アーティストは1600基の専用コンピューティングエンジンコアを使って作業を実行できる(このコアはZyncに最適化されていると私は想像する)。ユーザーは、営業時間内にサポートを受けることもできる(応答時間4時間以内)。
GoogleがZyncを買収した時に言っていたように、多くのスタジオは既に専属のレンダーファームを持っているが、多くの会社にとって「社内にレンダーファームを作りたくても、そのリソースや意欲がないか、既存の能力を超えている」。
Googleが昨年Zyncを買収した際、サービスはAmazonのEC2サービスで使うよう最適化されていた。Googleが自社プラットフォームに載せたことは驚きではない。さらに、Zyncのホームページおよび全チュートリアルからAmazonの文字が消え、Goolge Cloud Platformに特化して説明されているのも驚くことではない。
ちなみに、AmazonとGoogleともに、自身のクラウドプラットフォームの能力を、レンダーファームとして紹介することが時折あるが、彼らに欠けているのは、スタジオがそれを簡単に使うためにソフトウェアソリューションであることは指摘しておきたい。