今朝(米国時間10/4)、GoogleはHardware 2016イベントの目玉としてPixelスマートフォンを公開した。仕様についはすでに多くの情報がリークされているが、Googleではここ数年で最大のハードウェアの発表だとしている。
ベースモデル(Googleページ)を見るとリーク情報の多くが正しかったことがわかる―デザインとしてはあまり特徴がなく、iPhoneに似ていなくもない。ただしディスプレイは大きく、下部に物理的ボタンがない。予想どおり、Pixelには2サイズあった。標準の5インチ(画面解像度441ppi)と 5.5インチのXLモデル(534ppi)で、両方ともガラスはGorilla Glass 4が使われている。市場に出ている他のモデルとの比較からするとXLと名乗るほどのサイズではなく、単にLでもよかったかもしれない。
背面にはガラス部分と金属部分がある。中央には指紋センサー、下部にはアンテナバンドがあり、GoogleのGのロゴが目立つ。またイベントでGoogleが強調したところによると、「背面には不格好なカメラの出っ張りがない」ということだ。
出っ張りの有無はともかく、Googleはこのスマートフォンのカメラに自信を持っている。 PixelのカメラはDXOMarkのカメラ・テストのベンチマークで89という高得点を得ている。「このカメラはわれわれが作ったカメラの中で最良というだけではない―スマートフォン・カメラの中で最良だ」とGoogleはステージで宣言した。メインのカメラは1230万画素、f/2.0レンズを搭載する(フロントカメラは800万画素)。
GoogleはPixelが暗い場所でも鮮明な写真が撮れることをデモした。これには撮像素子の受光ピクセルのサイズが1.55ミクロンであることも貢献しているという。Smartburstモードでは数枚の写真を高速で連続撮影する。Lens Blurモードを利用すると最新のiPhoneに似たボケ効果が得られる。またこのカメラは毎秒30コマで4K ビデオを撮影できる。
またPixelには写真に関して無料、無制限のストレージが付随する。 Pixelで撮影された写真とビデオはGoogleフォトにオリジナルの解像度のまま保存される。また今回発表されたQuick Switchアダプターを利用すると、既存のAndroidデバイスやiPhoneの写真も簡単にコンバートできるという。
PixelにはクアドコアのSnapdragon 821CPUと4GBのRAMが搭載される。バッテリーは2770mAhと標準的だが、7時間分をわずか15分で充電できる。大型のXLモデルは当然ながらずっと強力な3,450mAhバッテリーを積む。最大作動時間はそれぞれ13時間、14時間だ。Pixelのデフォルトのストレージは32GBだが、ユーザーは128GBまで選ぶことができる。
本体下側にUSB-Cポートが設けられている。また上部にはヘッドフォンジャックがある(どんなもんだ!とGoogleはデモビデオ中で咳払いしている)
このイベントは名前のとおり、ハードウェアがメインだったが、そこはGoogleのことで、本当のテーマはやはりソフトウェアだ。Googleはイベント中で何度もGoogle Assistant AIについて触れていた。Pixelは音声認識に優れた使いやすい人工知能を利用したアシスタントを標準装備する初めてのハードウェアだという。Googleによれば「われわれはGoogle Assistantをコアとしてハードウェアを設計している」という。
「Googleマジック」についてはすでに数多くのリークで概要は分かっていたものの、新しい人工知能アシスタントのデモを眼前に見ると強い印象を受けた。このスマートフォンは当然ながらGoogleの新しいメッセージ・アプリDuoとAlloがプレインストールされている。スマートフォンは両モデルとも最新のOS、Android Nougat 7.1搭載だ。7.1搭載のスマートフォンが市場に出るのはこれが初めてだ(LG V20は7.0搭載だがまだ店頭に並んでいない)。
GoogleはPixelにカスタマーサポートをデフォールト作り込んだ。これはAmazonがKindle FireタブレットにMayDayというオンライでの直接ヘルプ機能を搭載したことにインスピレーションを受けたのだろうか? スクリーン共有ができる点も同じだ。
Pixelのカラーバリエーションは3色、グレイグレイのVery Silver、黒のQuite Black、それに限定版のReally Blueだが、これは実際、鮮やかな青だ(アメリカ国内のみ)。予約注文は今日から受け付ける(アメリカ、カナダ、オーストラリア)。インドでは13日からになる。
Pixelの最安モデルは649ドル(27ドル/月)だ。VerizonではなくGoogleのサイトから購入した場合はアンロックモデルとなる。ただしアメリカではVerizonが独占キャリヤとなっている。Googleでは各種のアクセサリーの予約も受け付けているので、ガラスとアルミの美しいデザインにキズをつけたくないユーザーはチェックしてみるとよいだろう。
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)