ロシアの検索ライバルYandexがかねてからGoogleを、ロシアにおける競争のルールに違反しているとして提訴していたが、このほどやっとGoogleは、ロシアの公正取引委員会に相当する連邦独占禁止庁(Federal Antimonopoly Service, FAS)との和解に達した。この訴訟の中心的争点は、Google Play Storeへのアクセスを容易にするためにGoogleが各社のスマートフォンデバイスに、同社のアプリケーションを強制的にプリロードさせている件だ。それをYandexおよび今回のロシア当局は、違法と見なした。
FASがGoogleに命じた罰金の額は、米ドル換算でおよそ780万ドルである。プリロードが反競争的と裁定されたのは、2015年の9月だ。ロシアの通信社TASSによると、この金額は2014年のロシアにおけるGoogleの売上の9%に対し今日までのインフレ率を適用した額だ。
示談という決着を最初に報じたのはReuters(ロイター通信)で、詳細はFASのWebサイトにも載っている。ロイターによると、この和解をロシアの裁判所が承認したのは月曜日(米国時間4/17)で、期限は6年9か月とされている。
裁定には罰金のほかにいくつかの協定も含まれ、Googleはロシアではメーカーに対しAndroid機に同社アプリケーションの排他的搭載を要求できない。また他社の検索エンジン等がAndroid機のホーム画面などにプリロードされることを、Googleが禁じてはならない。Android機にプリロードされる汎用の検索エンジンとして、GoogleはメーカーにGoogle検索を強制してはならない。これまでメーカーとのあいだに存在したその種の強制的契約ないし協定は、すべて無効とする。
Googleは、サードパーティが自社の検索エンジンを選択ウィンドウに含めることを、許容しなければならない。またChromeブラウザーのためには、ユーザーが既定の検索エンジンを自由に選べるような選択ウィンドウを、Googleは開発しなければならない。
また、これまでのようにホーム画面に最初からGoogle検索のウィジェットがあるのではなく、新たにChromeウィジェットがあって、そこから〔検索エンジンの〕選択ウィンドウが立ち上がるようにしなければならない。
そして和解の承認から60日以内にGoogleは、来年以降の選択画面にロシアの、参加希望を持つすべての検索エンジンが載るように、取り計らなければならない。
ロシアではメーカーがAndroid機に、Google以外のそのほかのアプリケーションも自由にプリロードできなければならない。
Googleの反競争的振る舞いを調査しているのは、ロシアだけでなない。EUも同様の嫌疑でAndroid OSを調べているが、それに対しGoogleは、アプリやサービスのプリロードは他社(すなわちApple)との競合のためだ、と反論した。この件では2月にBT〔‘イギリスのNTT’〕がGoogleの味方をしたため、結論は先送りされている。
Googleのスポークスパーソンは和解の詳細を確認して、次のような声明を述べた:
“Yandexとの商業的合意、およびロシアの競争規制当局Federal Antimonopoly Service(FAS)との和解により、Android上のGoogleアプリの配布をめぐる競争上の問題が解決したことは、欣快至極である。