Googleは、アメリカの退役軍人が円滑に市民生活に戻れるために、彼らの職探しや起業および企業経営を助けるツールを提供しようとしている。
そのひとつが、同社のキャリア開発プログラムGrow with Googleの新しい機能だ。それは、彼らが従軍の期間に身につけたスキルを活かせる仕事を探す機能で、まずGoogleの検索で“jobs for veterans”と彼らの軍務を表すコード(military occupation code)を入力する。求人企業や求人求職サイトは、GoogleのCloud Talent Solutionという、機械学習による求職求人プラットホームを使って、自分のサイト上でその機能を有効にする(検索結果に現れるようにする)。
Googleの発表の中で、Google Cloud事業のマネージャーで、イラクとアフガニスタンで計3回も従軍した元空軍の土木技師Matthew Hudsonが、退役軍人は機会を逃しがちである、と述べている。それは、物理的にはまったく同じ仕事でも、民間世界の企業と元軍人の頭の中とでは、その理解、認識、言葉などがまったく違うからだ。だから求人側と求職側が、互いの目の前に求める技能や職種があっても、そのニーズがマッチしない。そのため退役軍人の三人に一人…年間およそ25万人発生している…は、自分の技能レベル以下の仕事しか得られていない。
企業を起こしたり経営しようとする退役軍人のためにGoogleは、Google My BusinesとGoogle Mapsとモバイルの検索に、新しい属性を加えた。Googleのデータサイエンティストで元アメリカ陸軍の二等軍曹だったSean O’Keefeが、アメリカの企業の250万社以上が、その過半数オーナーが退役軍人だ、とブログに書いている。そこでGoogleの企業一覧には、“Has Wifi”や“Family Friendly”などと並んで“Veteran-Led”(退役軍人が経営)という属性バッジがつくようになる。
またGoogleのチャリティー部門Google.orgは、慰安団体United Service Organizations(USO)に、退役軍人のための初歩的なIT教育と、その卒業者へのサポート職資格認定Google IT Support Professional Certificationを賦与するための事業をやってもらうために、250万ドルを助成する。