Google は米国サンフランシスコで行われたカンファレンスで、クラウドゲーミングプラットフォーム「Stadia」を発表した。会場で披露されたのはほとんどが現在PCやXbox One、Play Station 4などでプレイできる有名ゲームだったが、Googleは自社のゲームスタジオ「Stadia Games and Entertainment」の設立も発表した。
新しいスタジオの責任者を務めるJade Raymondが初めて詳細を発表した。同社はStadia専用ゲームの開発に取り組む予定だが、このスタジオにはそれ以上の役割があるという。
「Stadia Games and Entertainmentの責任者として、私は次世代ゲームを新たに創造するためのゲームスタジオを作るだけではなく、Googleの最先端技術を大小さまざまなパートナースタジオが利用できるように、外部デベロッパーと協力していくことを楽しみにしている」とRaymond氏は言った。
Raymond氏はゲーム業界で15年以上仕事をしている。中でもモントリオールのUbisoftで(ユービーアイソフト)は、初期のAssasin’s Creed(アサイン クリード)のプロデューサーを務めた。UbisoftからElectronic Arts(エレクトロニック・アーツ)に移る前にはWatch Dogs(ウォッチ ドッグス)にも関わっていた。
Raymond氏はElectronic ArtsでMotive Studiosを設立し、これもElectronic ArtsのゲームスタジオであるVisceral Games(ヴィセラル・ゲームズ)とも仕事をした。スターウォーズのシングルプレーヤー・ビデオゲームの開発にも取り組んでいたが、Visceral Gamesは2017年に閉鎖しプロジェクトはその後 中止された。
Googleによると、世界中で100社のスタジオがすでにStadia開発用ハードウェアを受け取っている。Stadiaのゲーム開発あるいは移植に関わっているエンジニア/クリエイターは1000人を超える。
StadiaはAMDのカスタムGPUとLinuxオペレーティングシステムを使用する。Linuxと互換性のあるゲームであればStadiaへの移植は容易のはずだが、Windowsゲームに特化したスタジオにとっては大仕事になるかもしれない。
Stadia.devによると、クラウドインスタンスはDebian上で動作し、Vulkan(3G CG API)が実装されている。ハードウェアはx86 CPUと「AMDのカスタムGPU、HBM2メモリーおよび56の演算ユニットを擁し10.7テラフロップスの能力を持つ」。これは比較的強力なGPUであるAMD Radeon RX Vega 56とよく似ているが、今日のハイエンドゲーミングPCで見られるものほど強力ではない。
Googleは、Stadia Partnersというプログラムを実施して、サードパーティーデベロッパーがこの新プラットフォームを理解するための支援を行う。
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook )