Googleのデータ節約アプリDatallyに代表される“次の10億ユーザー”獲得構想とは

Googleの新興市場向けの新しいアプリは、スマートフォン上のデータ通信の利用をコントロールし、トップアップ(前払い)クレジットを最大限有効利用しよう、というものだ。

そのAndroidアプリDatallyは、今日(米国時間11/30)から世界中で入手でき、どんなアプリの上でもデータの使い方を細かくコントロールして、節約を実現する。フィリピンで行ったパイロットテストでは50万人のユーザーが、このアプリを利用してデータプランを30%節約できた。

だからこれは、インドのような新興市場で重宝だ。実はこのアプリは最初、インドと東南アジアを想定して作られ、そこでテストされた。これらの市場ではプリペイドの(=トップアップの)SIMカードが使われることが多くて、そのクレジット額を使い切ると、電話はもうつながらない。

Datallyは、データ通信量の多いアプリをカットしてユーザーに別のサービスやアプリを使わせるだけでなく、各アプリのデータ消費量のアップデートも提供する。Googleはこれを、‘データのスピードメーター’と呼んでいる。また、ユーザーが今いる場所の近くに一般公開されているWi-Fiのアクセスポイントがあれば、それを教える。

後者に関しては、Googleはインドで無料のWi-Fiホットスポットを展開しており、たとえばそんな鉄道駅の数はすでに100を超えている。Googleは同プランを東南アジアにも広げている。

FactorDailyのインタビューで、GoogleのNext Billion Users計画の担当VP Peeyush Ranjanはこう語る: “私に言わせれば、シリコンバレーには死角がある。それをなくそうとするのが、GoogleのNext Billion Usersのような活動だ。われわれはそういう市場向けの技術を作っている。うまく行けば、その技術を全世界に広めたい”。

Next Billionの計画の中には、ほかに、インドにおける決済サービスTezや、ストレージ節約アプリ、YouTubeの軽量データバージョンなどがある。

Googleは買収によって、この計画のためのエンジニアを確保しようとしている。今年は、TwitterのデータサイエンティストだったPankaj Guptaがインドで創ったAIスタートアップHalli Labsを買収、2016年にはシンガポールのエンタープライズチャットサービスPieのチームを買い上げた

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。