Googleの親会社、Alphabetが2018年最初の四半期決算(PDF)を発表したが、きわめて堅実な内容だった。事業が着実に拡大を続けているだけでなく、昨年に比べて成長速度はさらに加速している。
Googleによれば今年第1四半期の売上は対前年比で26%のアップで311.6億ドルとなった。昨年同期の売上は247.5億ドルだった。このときGoogleは第1四半期売上が対前年比22%アップしたと発表していたので今年はそれを上回ったことになる。
CPC(クリック単価)が引き続き低下傾向にあるにもかかわらずGoogleは売上を増加させてきた。CPCはあるサイトの価値を表すといってよいが、インターネット閲覧がますますモバイル・デバイスにシフトする中でここ数年低下を続けている。
またAlphabetが「それ以外の賭け」と呼ぶGoogle部門以外の他事業、自動運転車やインターネット・アクセスを提供する気球なども全体として売上が増加し赤字が減少している。Googleは広告収入に全面的に依存する現在の体質を改善する必要があるのでこれはよい兆候だ。しかし他事業の収入はGoogle全体でみればまだごく一部を占めるに過ぎない。今回はGoogleが自動運転車のノウハウをめぐってUberと和解した後の最初の決算となる。
スコアカードは以下のとおり。
- 売上: 311.6億ドル(アナリスト予測は303.6億ドル)で対前年比26%アップ
- 利益: 調整済1株あたり9.93ドル(アナリスト予測は9.28ドル)
- Google内の他事業売上: 43.5億ドル、前年同期32.7億ドル
- Googl外の事業売上:1.5億ドル(前年同期は1.32億ドル)
- Google外の事業損失: 5.71億ドル(前年同期は7.03億ドル)
- 売上TAC比(%) 24% 〔TAC=トラフィック獲得コスト〕
- 実効税率: 11%(前年同期は20%)
この結果、Googleの株価は延長取引時間で2%アップした。時価総額世界最大の座をめぐってGoogleがMicrosoftやAmazonと並んでAppleを追う中で、Googleの時価総額に100億ドル以上を加えたことになる。
GoogleのTACは比較的安定しているようだ。Googleがトラフィックを得る代償としてアフィリエイト先や提携先から支払う金額はGoogleウォッチャーにとって重要な意味を持つ。これが上昇することはネットワーク企業の経営にネガティブを影響を与えるからで、ウェブ閲覧がモバイルにシフトするなかでここ数年GoogleのTACもわずかに増大していたのが懸念を呼んでいた。しかし今期は24%と安定した水準を保った。
Googleは本質的に広告企業であり、世界中の何十億ものユーザーからわずかずつ収益を上げている。しかしすべてがモバイルに移行する中で現在のような広告の価値は減少傾向だ。モバイルによるウェブブラウジングはデスクトップやノートなどのコンピューターを利用したブラウジングとは全く異なる消費者行動をもたらしているからだ。これまでGoogleはCPC(クリック単価)の減少をインプレッション(広告表示回数)の増大で相殺してきた。実際、今期の決算もそのとおりの傾向を示している。【略】
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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+)