Googleが、われわれ一般ユーザーのコンピューティング環境に自分をくくりつけるための、大きな一歩を踏み出した。Google Cast(の能力)を、Chromeブラウザーの中へ直接、 統合したのだ。これは過去2年間のCastエクステンションからの格上げで、これによりユーザーは、Chromeブラウザーで閲覧しているコンテンツを、ChromecastのようなCast対応デバイスにブロードキャストできる。これからは、そのためのソフトウェアをダウンロードしなくても、CastをサポートしているコンテンツサイトではCastアイコンが表示され、またChromeのメニューから何でもCastできる。
Castはこの2年間でかなり普及し、Google自身のChromecastやChromecast Audioドングルだけでなく、最初からCastをサポート(内蔵)しているサードパーティ製のスピーカーやテレビもある。また、 Google HangoutsやCast for EducationなどのアプリケーションにもCastできるから、学校のクラスや仮想ミーティングなどで集団でCastを視聴できる。
Googleによると、今回の統合以前にも、Chromeからの“キャスティング”は人気のアクティビティだった。先月だけでも、3800万以上のキャストがChromeから送られた、と同社のブログは言っている。そののべ視聴時間は、5000万時間以上だそうだ。Chromeブラウザーにその機能が組み込まれたこれからは、もっと増えるだろう。とりわけGoogle Play MusicやNetflixではアイコンがアドレスバーの右に表示されるから、メニューを操作する必要もない。
Chromeへの直接統合は確実に、Castのリーチと利用率を拡大し、ユーザーのデジタル生活における、ひまつぶしチャンネルが一つ増えることになる。しかもネットワークの帯域が拡大した未来においては、テレビでもスマート家電でも何でも、単一の脳(あなたのポケットのスマートフォン?)から情報を受け取れるようになる。しかし今のところは、パーティーでみんなに、大きなテレビであなたの曲を見せる/聞かせることに、もっぱら利用されるかもしれない。