現代の主要OSはすべてネーティブに64ビットCPUをサポートしているし、多くのアプリにも64ビット版がある。しかし全般的にみてブラウザはこの動きに遅れている (Firefoxの非公式版には64ビット版が存在するが)。
しかし今日(米国時間6/3)、Googleは実験的なDeveloper版とCanary版でChromeのWindows向け64ビット版をリリースした。おそらく今年中に一般向け安定版にも64ビット版が登場するものと思われる。Macの64ビット版についてのGoogleの対応は現在のところ不明だ。
これまで長いこと「ブラウザを64ビット化してもさしたるメリットはない」という主張が優勢だった。しかし今日のリリースでGoogleがそうは考えていないことが明確になった。GoogleのWill Harrisはリリースにともなうコメントで「64ビット版には、速度の改善など数多くのメリットがある」と述べている。
64化によって最新のプロセッサ、コンパイラの最適化、命令セット、呼び出し方法が利用できるようになる。また関数のパラメータのレジスタへの受け渡しも高速化される。これにより、特にグラフィックス、マルチメディアの処理ではパフォーマンスが平均で25%も改善された。
またGoogleによれば64ビット版のChromeは32ビット版に比べてはるかにクラッシュしにくい。特にレンダリング・プロセスのクラッシュ率は半減したという。
セキュリティーも重要な改善点だ。64ビットアプリはWindows 8で採用されたHigh Entropy ASLRのようにプログラム中の重要なデータをメモリのあちこちにランダムに保持し、ハッカーが容易にアクセスすることができないようにすることによって侵入を防止する手法を利用できるという。
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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+)