Google Cloudは米国時間11月20日、Bare Metal Solutionと名付けたベアメタル(物理サーバー)サービスを発表した。ただしそれは、Google Cloudが直接提供するベアメタルサービスではなく、Googleが認定したハードウェアを企業がGoogleのデータセンターに置き、そこでそれら専用のワークロードを動かし、Google Cloudの一連のサービスにも直接接続できるというものだ。このようなセットアップがふさわしいワークロードはデータベースだとGoogleは表明している。具体的にはOracle Databaseだ。
Bare Metal Solutionは、その名が示すとおり、この種のインフラストラクチャをセットアップするための完全に統合された、そして完全な管理を伴うソリューションだ。ハードウェアのインフラストラクチャも、サーバーだけでなく電源や冷房までも含むその全体が完全に管理される。Google Cloudとのサポート契約や課金はGoogleのシステムが扱いSLAもある。それらのマシンにデプロイされるソフトウェアは、Googleではなく顧客が管理する。
全体としての考え方は、特殊なワークロードを抱えた企業が容易にクラウドへ移行できるようにし、それによって、クラウドからのサービスがこれらのシステムのデータに便利にアクセスできるようにすることだ。機械学習がそんなワークロードの典型的な例だが、Googleの考えではこれによって企業が徐々に自己の技術的インフラストラクチャを現代化していける。ここで現代化とは、クラウドへの移行という意味だ。
Googleは「そういう特殊なワークロードは認定されたハードウェアと、ライセンスやサポートに関する複雑な協定を必要とする場合が多い。今回のソリューションはアプリケーションのインフラストラクチャの全体構造を現代化する経路を与え、それと同時に既存の投資とアーキテクチャを保全できる。またBare Metal Solutionで特殊なワークロードをGoogle Cloudに持ち込むことができ、各種のGCPサービスに最小のレイテンシーでアクセスおよび統合できる」と説明する。
このサービスはGoogle Cloudと同じ場所にあるので、同じリージョンのBare Metal SolutionとGoogle Cloudの間のデータの出入りは課金されない。
このソリューションで使うサーバーは、Oracle Databaseをはじめさまざまなアプリケーションの実行に関して認定され、構成は最小でも2ソケット16コアでメモリー384GB、最大は112コアでメモリー3072GBの4ソケットサーバーとなる。料金は月額制で、推奨契約期間は36か月だ。
もちろんこれは、完全に自力で用意するシステムではないから、その料金なども含めて、Googleの営業と話し合うことが第一歩になる。今、いろんな手段やサービスでエンタープライズ対応を手厚く進めているGoogle Cloudにとって、当然予想できたサービスだが。
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